以前、スタートアップ界隈の目立つ存在だったクラシル運営のdely 堀江CEO、本日1月30日「この数年は発信を止めていた」とツイートされておりました。
広報に関しても最近数年は発信を止めてサービスと組織作りに集中していた関係で自分として勉強が止まっています。また勉強し直すために広報の方からも勉強させていただきたいです！お茶しても良いよとか、話しても良いよって方はファボっておいて頂けたらありがたいです！
— Yusuke Horie/dely (@yusuke_horie) January 30, 2024
実際に界隈で目立たなくなっていましたが、その間静かにdelyは恐ろしい成長を遂げ、超高収益企業となっていたようです。本日はdelyをご紹介します。
dely、3年連続で毎期10億円以上の純利益を計上。累積の赤字も既に回収していた
こちらがdelyの決算です。バフェットコードさんから情報を拝借しております。
これ、恐ろしい業績じゃないですか…？驚きました。
引用：バフェットコード
競合のエブリーを見ると、未だ赤字で22年6月期には純損失10億円。累積損失も40億円に膨らんでいます。
引用：バフェットコード
ということは…delyは「クラシル事業」で大きな利益を出しているわけでは無さそうだという仮説が浮かんできますね。続いてdelyが何で利益を出しているのか調べてていきます。
クラシルのユーザー資産を活かした「模倣戦略」、マイベスト、トリマ、人材紹介、ライバー事務所…。
調べたところdelyはあらゆる事業を模倣し、展開していっているようです。下記が新規事業一覧となります。キュレーションメディア、ポイ活アプリ、タレント事務所、チラシアプリ..。見覚えのあるような事業が並びます。
引用：dely サービス一覧
ご存じなかった方も多いのではないでしょうか。そして、これら全てが既存にあるビジネスと類似しているんですよね。ポイントアプリはトリマと色味含め似ています。
続いてチラシアプリは「トクバイ」と類似しており、元々シュフーが展開していたビジネスモデルですね。
続いて驚いたのが比較メディア、マイベストと同じような構成の記事をたくさん作っているようです。
ポイントアプリなどはユーザー資産を活かして、より収益性の高いプロダクトに送客しているように見えます。
おぼろげながら浮かんできたdelyのビジネスモデル
ちなみにテンセントも同様にユーザー資産を活かして国外の人気アプリを内製化し、さらに改善していくという戦略を取っています。
他社のクローンからスタートし、ユーザー体験の磨き込みと、自社プラットフォームのトラフィックで、オリジナルを凌駕してしまう、米国と異なる成長モデルが興味深かった
テンセントが面白いのがただのパクリ企業ではなく、ユーザー中心主義と創造性が根付いてる点https://t.co/R4F2uJtAJg
— もやし (@makemmd) January 13, 2024
この時点でかなり面白いですね…。ではこの中でどれが最も利益が出ているのかを調べてみます。
おそらく「ポイ活」アプリが高収益の源泉か。既に売上数十億円規模。
delyの求人サイトを見ていたところ新規事業に関する記載がありました。新規事業として人材紹介を立ち上げようとしているようです。
引用：dely採用
こちらの求人内に、各事業の売上高が記載されておりました。なんとリワードとチラシで数億～数十億円規模の売上があるとのことです。
引用：dely求人
そして、ポイ活アプリがかなり儲かるとオープンチャットで情報を入手。ありがとうございます。
引用：オープンチャット
ということで上場しているポイ活アプリ系の決算を調べたところ、セレスさんが細かな情報を公開していました。モッピーというポイントアプリを運営されています。
引用：セレス決算
こちらもかなり利益出ていました。なんと、四半期単体で売上26億円です。通期で見るとざっくり100億円程度の売上ですね。こんなに儲かるんですか…。
引用：セレス決算
ということでセレスのアプリDL数とクラシルリワードのアプリDL数を比較してみました。
モッピーは100万DL、クラシルは半分の50万DLとなっています。
Googleplayより
モッピーが通期100億円程度の売上となると、その半分の規模として…クラシルリワードは50億円…！？ここまでいかないとしても相当な売上規模になっている可能性が高そうです。
素晴らしいですね…。創業事業のリベンジ「クラシルマート」は3ヶ月で撤退の判断をしていましたが、この意思決定の裏には素早いスピードで事業立ち上げ→継続判断していくという経営判断をしているようです。
引用：クラシル、3ヶ月で撤退
彼らは沈黙している間、まさにスタートアップに必要な「仮説」「実行」「学習」のサイクルを異常なスピードで回していたようです。まさに商人的とも言えるクラシルの動き…。
今後は数千人の組織までスケールを目指していくと本日発表されておりました。
数千人の組織までスケールさせるべく、評価システム、教育システム、カルチャー施策など人事の沢山ご経験がある方と是非お話ししたいです！もし話しても良いよって人、話してみたいという方いらっしゃったらファボっておいて頂けたら嬉しいです。お茶でもオンラインでも可能です！
— Yusuke Horie/dely (@yusuke_horie) January 30, 2024
素晴らしい..。日々、スタートアップオープンチャットではこのような内容を情報交換しています。
オープンチャット「スタートアップコミュニティ SUCO」
それにしてもクラシル、安定的に10億円の利益は相当すごいですね…。
