MEDIXの塚本大地氏、異例のスピードで事業成長を成し遂げ、DeNAへの150億円の評価額で売却された若手起業家の1人です。
実は塚本氏、弱冠30歳にしてDeNAに加えて、バンダイナムコアーツ、DMM、非公開を含めると4件の売却をされています。Wikipediaによると事業買収も4件とのこと。
今回はそんな塚本氏が新たに立ち上げたステルス展開中のスタートアップ「MEDIX」に迫ります。
塚本氏の再現性のある事業立ち上げのアプローチ手法が見えてきました。
一本の匿名投稿から調査が急展開、「MEDIX」の事業特定に繋がる
Suanでは匿名質問や投稿を募集しており、先日そちらに一通の質問が届きました。
MEDIXがどうやら「競馬」「競輪」で事業展開しているという投稿です。
頂いたリンクを見ると、「うまログ&ボーダーズの黒幕は同じ?」という記事にたどり着きます。
かなりよく調べられた記事で、どうやら競馬と競艇カテゴリで人気のYoutubeチャンネルの運営が実は同じなんじゃないかという記事のようです。
利用規約やサムネの一致性など、かなり細かく検証されていたので、詳細はこちらの記事をご一読頂くほうが早いかも知れません。
ここから、Suanとしての腕の見せ所ではないか…ということでこの情報が確定的なものかを調べていきます。結果、すぐにMEDIXの事業であるということがわかりました。
MEDIX、主な事業内容は「Youtube運営と付随サービス」だった。既に競馬・競艇カテゴリで1位を独占。
早速、MEDIXの求人を見たところ、「うまログ」「ボーターズ」の記載がしっかりとされていました。特定するまでもなかったですね…。
さらに見てみると、なんと現在10つのチャンネルを運営しているとのことです。
他のチャンネル情報がないか調べてみたところ、非エンタメ領域も挑戦しているようですね。
ということで、もうまとめに入るんですが、どうやらMEDIXはYoutubeで集客したユーザーを予想サイトに誘導し、マネタイズを狙うモデルをあらゆる産業で展開しようとしているようです。
このビジネスモデル、再現性ありそうですよね。ただ、Youtube運営でネックなのがタレントの離脱です。MEDIXの運営する「うまログ」でも演者の脱退が昨年起きていました。
Youtubeチャンネル、タレントの流出問題があるのでは?という懸念
うまログメンバーのケンシロウさんは昨年10月に脱退。脱退後ご自身でチャンネル開設し、既に16万人の登録者となっていました。
ファンは演者につくので、結局このように独立されるとかなり厳しい印象です。
ケンシロウさんの脱退後、うまログ創設者だった匿名配信者「タコる」さんが緊急で再参戦されています。年齢は塚本さんと近いようです。
MEDIXの創業が2022年、タコるさんがYoutubeを開始したのは2019年です。
もしかするとMEDIX創業前にチャンネルを作って再現性の検証をしていたのかもしれません。中の人が塚本さんだったら相当すごい経営者ですね…。
ということでMEDIXはYoutubeチャンネルの立ち上げを他業界に応用し、再現性の高いアプローチを取っている事がわかりました。これをあらゆる産業で横展開していくようです。
かなり面白いですね..。Youtube単体でも収益がありますから既に黒字化している可能性すらありそうです。
そして「競馬」「競艇」という領域もかなり筋がよさそうです。現在、サイバーエージェント、ミクシィなどが公営ギャンブル事業に力を入れており既に各社下記のような事業規模になっています。
ミクシィは公営協議関係で、1Qあたり75億円の売上高、YoY13%で成長しています。
サイバーエージェントは1Qあたり990億円の取扱高と公表しており、こちらも成長を続けています。
関連領域での買収や統廃合も進んでおり、MEDIXも買収候補としてあがることは容易に想像されます。
塚本氏、創業時のヒット事業も「パチンコ×Youtube」だった。初期の起業時は融資で学生起業。
ちなみに塚本さんと一緒に事業を立ち上げられた渡辺さんの創業noteも非常に面白く、初期は融資で泥臭くスタートしていた話も有名です。
創業時に大地とふたりで借りた500万円を返済。
右も左もわからない、勢いだけの学生だった僕ら2人に1000万円という大金を投資ではなく個人貸付してくれた恩師に感謝しかない。
今思うとミラクルスートリー。お金は返したけど今後も恩を返し続けるしかない。見ててください! pic.twitter.com/BIlg4reDCC
— 渡辺稜太 (@ryota_zizai) March 31, 2021
創業期はブルーオーシャンだったパチンコYoutuber市場を攻め、そこで得た資金を後に売却することとなる事業などに投下していたようです。
創業時にヒットさせた「射幸性のある市場×Youtube」というモデルを見事に競馬・競艇で再現した塚本氏、恐るべきですね…。以上、MEDIXのステルス事業レポートでした。
意外と演者さんが辞めないのであれば他業界の方も参考になる手法かもしれません。
【追記】
オープンチャットでその他のMEDIX運営っぽいチャンネルが見つかりだしています。