サイト貸しビジネスの実態を当メディアで取り上げてから早2年。
当時渦中にいた旧アルゴリズム社(現:ONE MEDICAL)が社名を変更し、EXITしたようです。
参考記事:25歳で年商40億円の株式会社アルゴリズム、事業実体はサイト貸しを活用したアフィリエイター集団か。過激化するSEOハックの実態に迫った。
あれから2年。同社の展開したビジネスモデルはどうなったのでしょうか。
アルゴリズムの変更によって終焉に近づくサイト貸しビジネスの今に迫ります。
サイト貸しの「アルゴリズム」社名を変更した後に、エキサイトが38億円で買収。
10月28日、エキサイトがオンライン診療事業を展開する「ONE MEDICAL」を38億円で買収をしたと発表しました。
現在のエキサイトの時価総額が43億円、なんとほぼ同規模の金額で買収という攻めのM&Aです。
しかし、調べてみたところ「ONE MEDICAL」という東京港区の会社は存在していません。
これは…と思い調べてみたところ、設立年月、代表者、売上推移などから過去に取り上げたアルゴリズム社であることが判明しました。メディア事業ということで同社と考えて間違いなさそうです。
驚きなのが、株主が2名のみ。報道当時は多くの株主がいたんですが、全株を買い戻したようです。
さらに公開されていなかった売上、営利の推移がこちら。当時報道されていた40億円という年商も近い数字ですね。全盛期には営利13億円を計上しています。すごすぎる…。
一時は赤字転落していたものの、今年になって復調しています。
では、彼らの主戦場であったサイト貸しビジネスがどうなっているのかを見ていきます。
見えてきたのはGoogleのコアアップデートに翻弄されるビジネスモデルでした。
Googleコアアップデートによって「サイト貸し」モデルが一掃、復調を繰り返していた。
当時と現在(24年10月時点)の「エラボトックス おすすめ」の検索結果の比較がこちらです。ドメイン貸しメディアがすべてが一掃され、ドメインの強い出版社やマイベストなどが上位にきています。
相当、変わりましたね…。一部医療クリニックのドメインがあったので見てみたところ、ドメイン貸しではなくサイト内メディアのような構造となっていました。
以前のようなサブディレクトリにメディアを配置し、全く異なるサイトを表示するという方法が一掃されたように見えます。
一方、Google検索においてドメインパワーが強いのは未だ変わっていないため、従来のサブディレ型のドメイン貸しからサイト内部にメディア、ブログを設置するような形がブームになりそうな気がします。
続いて、当時報じていたアルゴリズム社が運営していると思われるドメインの一部推移を見てみます。
旧アルゴリズム社の運営していたと思われるドメイン、調査対象すべてで今年4月下旬~5月にかけてサイト貸しを終了していた
当時報じていたドメインを調査しようとしたところ、ほぼすべてが404となってしまっておりました…。
他のドメインもほぼ全て404となっています。
いくつか調査ツールで見たところほぼ全てで今年4月~5月にかけて終了していたようです。
恐らくサイト貸しは撤退済み。エキサイトはONE MEDIA(旧アルゴリズム)、オンライン診療支援事業が開始2年で月商1億円を超える規模に成長していると発表しています。
つまり、こちらのオンライン診療支援事業と経営手腕が評価され、今回の買収に至っているようです。
見事にGoogleのアルゴリズムの盲点を突いた旧アルゴリズム社の「サイト貸し」ビジネス。
この複雑なビジネスモデルを創り上げた経営手腕は、株価の低迷するエキサイトの起爆剤となるのでしょうか。そのまま残り続け事業に注力するとのことで注目です。
エキサイトHDによるONE…
— 西條晋一(Shinichi Saijo)@起業家/投資家 (@s_saijo) October 30, 2024