昨夜、投稿したこちらのツイート、非常に多くの反響を頂きました。
Newspicksが無断転載Twitterアカウント(@OkumuraMisato)の提灯記事出してるけど、NPってメディアでしょ?記事内で「分析」と称して紹介してるツイートで違和感感じないのおかしいぜ?WBSってロゴ見えない?
【奥村美里】企業分析でフォロワー5万人「箔より自信」キャリア術https://t.co/2xEC8YBKQc pic.twitter.com/qkUnc9Us0q
— SUAN / スタートアップアンテナ🎈 (@suan_news) November 4, 2022
タイミー社員の奥村美里さん(@okumuramisato)がTwitterにおいて無断転載を繰り返されており、その様子がNewsPicksに記事になっているという内容のツイートになります。
こちらの件に関して、奥村美里さんのその後の発言含め色々と思う事があったので記事化させて頂きました。
そもそも今回のタイミー社員による無断転載はどのような行為だったのか?何が問題か
今回の問題ですが、内容としては非常にシンプルで著作物の侵害を常習的にされているという問題になります。
タイミー奥村美里さんの2021年1月~12月31日までのツイートを集計したところ、第三者の著作物と思われる無断転載は51件以上確認できました。
テレビ東京、TBSなど複数の番組や書籍からスクリーンショットを無断転載されております。
そのくらい良いのでは?と思われる方も多いと思うのですが、問題は「この多くが出典を記載していない」という事です。
こちらもご自身の分析や調査かのようにツイートされておりますが、テレビ番組の内容を書き起こしただけなんですよね。これは企業分析ではなく、ただのスクショ貼りです。
またそもそも有益な情報だとしても、権利者に無許可で拡散するのは著作権侵害となり違法行為なのです。
IR資料とかのスクショはOKで、テレビは何故NGなの?という方もいると思うので少し図解化させて頂きました。IR資料に関しては著作権侵害だったとしても、それ自体が収益化を目的とされていないため問題を問われることは少ないと思われます。
ちなみに、そもそもですが「営利」「非営利」問わず著作物の無断転載は著作権侵害になりえる行為です。下記は親告される可能性が低いという視点にたっての説明になります。
つまりテレビ番組は「主たる製品」が番組で、IR資料は上場企業における「事業の副事物」なんです。
主たる製品を無断で横流しすると利益を毀損するというのは説明せずともお分かり頂けるかと思います。
少し強めの表現を使うと、この行為はYoutubeでワンピース最新巻を垂れ流している行為と変わらないのです。
目的が「広告収益」か「フォロワー獲得か」という違いであって、不法行為そのものに変わりはありません。
このような行為をされている方を「若者のロールモデルとして称賛してしまった」のがNewsPicksです。
無断転載のタイミー社員に、NewsPicksはカラフルキャリアとして独占取材。さらに「若者のロールモデル」として奥村氏を授賞してしまう
NewsPicksはカラフルキャリアと称して奥村美里さんに取材をされていました。
記事の内容はキャリア論としては面白いなと思い読んでいたところ…
驚きの展開があり、なんと、テレ東のスクショツイートを「企業分析」として紹介されてしまっているんですよね。下記がそのツイートになります。(こちらの元ツイートは既に削除されております)
NewsPicksの執筆者、校閲担当者はメディア運営側として、違和感を感じなかったのでしょうか。
自社の媒体にテレビ東京のスクリーンショットを載せてしまっている事自体、著作権侵害に間接的に関わっている状態になりかねないので、非常に微妙な記事だと感じます。
そして、そもそも「企業分析」と言う紹介でこのツイートが紹介されているのですが、これはテレビ東京の取材労力に対して奥村美里氏がフリーライドしているだけで、企業分析ではなく、転載屋です。
さらに、この記事の拡散具合を見てか、NewsPicksはさらなる「箔」を彼女に与えてしまいます。
NewsPicksは若者ロールモデルとしてタイミー社員を授賞。無断転載というイリーガル的行為がメディアに認められた瞬間と、その塾の危うさ。
あろうことか、NewsPicksは若者の未来を照らすロールモデルとして、この転載行為を常習的に行っていた奥村美里氏を授賞させてしまいます。
著作権を無視したイリーガルな行為で伸ばしたフォロワー数を元に「ロールモデルになるべき人材だ」と表彰し、箔を付けてしまうというのは上場企業が運営するメディアとしては、あるまじき選択だと感じます。
このような方を若者ロールモデルとしてしまうということは、著作権を遵守しないという意識を容認するということです。ロールモデルってそういう話だと思うんですよね…。
NewsPicksは授賞させることによって、「みんなの為になるからNewsPicksの有料記事をスクショしても良いよね!」というような事を容認してしまったのと変わりがないというのを理解されているのでしょうか。
著作権侵害は刑事罰の対象となりえる行為であり、気軽に「ツイートだからいいよね」という話ではないのです。
メディアには報道するという責任が伴います。ましてや著作権含む法令遵守をより守るべきビジネスメディア側が、無断転載で情報にフリーライドしているようなアカウントを「ロールモデル」として表彰してしまったという事実は、昨今のフェイクユニコーンが持ち上げられてしまうような表面的な数字のみでメディアが評価してしまう危うさを感じます。
これまでも指摘していますが、本来メディア側は正確な情報、法令違反がないかを確認し、報じるという責任が伴います。プロセスや詳細を把握せず、フォロワー数や売上という表面的データのみで過剰に持ち上げ、アンモラルな行為は報道しない事は、さらなる模倣を生み出し、結果的に社会を歪めてしまうだけなのです。
そして、今回の事案に関しては本人だけでなく、著作権に対して指摘しなかった、「タイミー社内」、「メディア側」、関係者にも責任があると感じております。
タイミーに改めて問われる「コンプライアンス意識」、事前に知っていたかどうかが争点か
今回の問題、そもそもタイミー社員の奥村美里さんが行っていたという事件であり、アカウント内でタイミーの宣伝などもされていることから「タイミー社」としてのコンプライアンス意識も問われるはずです。
過去に奥村さんと小川社長がフォロワー数について言及されていました。
タイミーに新卒として入ってくれた@OkumuraMisato さん。数万ファボがつくツイートを連発して出来るのは本当にすごい。
にしても一時期フォローワー数を競っていたのが懐かしい。。笑
【奥村美里】企業分析でフォロワー5万人「箔より自信」のキャリア術 – JobPicks https://t.co/o9QhD1CSft— 小川嶺 (@Ryo_Ogawa70) September 9, 2022
小川さんも普段から見ているはずで、問題ないと考えていたと思われます。
守安さんのコンプライアンス退任事件から半年、未だにこのような初歩的な「著作権」という問題に対して誰も指摘しないタイミー社内のコンプライアンスに疑問を感じます。
上場を目指されていると思いますので、社員一人ひとりの法令遵守意識を高めたほうが良いのではと、提言させて頂きます。
今回の指摘後、タイミー社員から「このメディア(Suan)、潰したいよね」という旨の発言に一同衝撃。
今回の件ですが、通常の倫理観を持ちえる方であれば、違法行為を指摘されたら「著作権違反でした。反省します。」というようなベクトルに話は動いていくのかなと思っていたのですが、そうではなかったようです。
情報提供頂いた、本事件後のご本人の発信(11月5日 午前0時)が下記になります。
メディアを断ち切りたい、二次被害を増やしたくないという意味を読み取ると「このメディアを潰したいと思っている」という内容かと思いますが、自分が被害者というような発信をされていて非常に残念に感じました。含めて過去のSuan掲載企業全てを肯定しているかのような表現も気になります。
奥村氏ですが、既に多くのツイートを削除されているようですので、著作権侵害という違法行為を常習的に行ったという事実のみでなく、フォロワーを増やすために法令遵守を軽視し続けたという意識面での問題にも気づいて頂ければよいなと感じます。
今回の件に関して、「イリーガルなテクニックで成果を出す若者を担ぎ上げてしまう大人」にも問題があるなと感じており、周囲が全くこのような発信を注意をしなかったということも問題かと思います。
また、タイミー社に関しては過去にコンプライアンス問題として大きく報道されたことがある手前、ご本人のその後のコメント含め、より一層コンプライアンスを意識された方が良いのではと感じ、記事にさせて頂きました。
それにしても「ビジネス番組の無断転載ならOK」みたいな風潮は、誰が作り出したんでしょうか。
ちなみに奧村氏に今回の指摘をしたところ「スパム」として虚偽報告されていたようです。なんでそういう対応になるんだ…
奥村さん、そりゃないでしょう。。なんでSuanが「スパム扱い」なんですか?虚偽報告の同調を集めてツイート消そうとするのは流石に辞めて頂きたいです。
あとマーケットを変えようと頑張っている方を非難しているのではなく、無断転載や著作権侵害を非難しているのです…。https://t.co/IE43uem3yQ pic.twitter.com/L7ykAXXonC
— SUAN / スタートアップアンテナ🎈 (@suan_news) November 6, 2022