東大と京大、2人の志が立ち上げた「Tenxia社」、主要取引先のマイナビはスルーし、メドレーがゴールインEXIT。色々試算してみた。

本日、メドレー社がまたしても買収リリースを出されました。買収金額は2.59億円。
PSR2.69倍、PER11倍ほどの評価額となっております。パッと見ると安い印象です。

2年連続で黒字化しているのが特徴的。

こちらのTenxia社、実はマイナビさんとがっつりほぼ提携みたいな感じで動かれていたので、今回の買収は中々驚きました。このあたり深掘ってご紹介致します。

ちなみに直近の評価額4億円からはダウンラウンドでの買収となっているようです。

株式会社Tenxiaの展開するパーティカルコミュニティ「シゴトーク」とは?

結構面白いビジネスモデルで、以前からTwitterでふわっと話題にあがっていたんですよね。

シゴトーク、LP上部に「マイナビAGENT」という記載がされている(22年9月20日 執筆時点)

このような感じで、色んな特定業種ごとの掲示板があるようなイメージのサービスです。
気づいた人もいると思うんですが、このシゴトーク特設ページは「マイナビエージェント」が作られているんですよね。

このあとにも続きますが、実はアプリ内部もマイナビとシゴトークはがっつりの形相となっております。

マイナビとガッツリだったTenxia、メドレーの買収完了をもってマイナビとの提携完全終了のお知らせ。

アプリの画面がこちらです。ファーストビューにどデカく「マイナビ看護師!」とかのバナーを出していました。各パーティカルアプリで同様の画面となっております。。

最も目立つエリアにマイナビの転職バナーを掲載。その他にも導線優遇多数で恐らく独占契約となっている。

こんなにガッツリだったら
?「マイナビさんが買収するよねぇ?」
と思われた方、思いますよね。これだけガッツリなんですもの。

ちなみにエンジニア向けも一緒にマイナビさんとされていたようです。

何故マイナビは買収しなかったのか?Tenxia社の黒字はアプリ以外の収益も含まれてそう。

実はこちらのTenxia社、マイナビエージェントとほぼ共同でエンジニア向けのサイト運営も行っております。

当初は代表の岡部匠志氏も積極的に投稿していた

代表の岡部さん自身もかなりの数を寄稿しており、リソースも結構つぎ込んでいたようです。
シゴトーークの買収で「パーティカルコミュニケーションアプリ、黒字化してるしいけるやん」と思ってしまった方は、もう少し分析してみたほうが良いかもしれません..

22年9月20日時点、運営会社は「マイナビAGENT」となっておりアンドエンジニア事業はマイナビに事業ごと譲渡したか(元々協業だった可能性もある)

?「これだけガッツリなら、マイナビさんが買収するよねぇ?」

と思いますよね。。買収されなかった背景には現状の数字だとマイナビ的には物足りない、という現状もありそうです。本項移行は仮説ベースのお話になります。

【仮説】コミュニティアプリから転職ニーズには繋げきれなかったことが背景か

パッと経営数字だけ見ると、パーティカルコミュニティ黒字化してるし良さそうだな、と思われるかも知れません。

方で”転職ニーズが強い”人との直接的な関係は繋ぎづらいんですよね。あくまで潜在層を囲い込むという施策になります。

アプリの常習性が高くなければ、転職のタイミングでのリーチも難しいという課題も抱えています。
実際にシゴトークの各アプリから転職相談ラインに遷移した人の数とアフィリエイト単価から媒体価値をまとめてみました。

マイナビ各AGENTサイトの「登録成果」のアフィリエイト単価xライン登録者数で媒体価値を試算。全て22年9月22日時点の数字。

ざっくりな試算でリスト価値としては1867万円ほどとなりました。
これだとちょっと物足りない感じはしてしまいますね。。

ヤクザイトークのお知らせ画面。Twitterでは「ヤクザトークに誤読した」という報告も。

今回の買収を機に、マイナビとの求人提携は全てのシゴトークにおいて終了するようです。

ここまでガッツリとマイナビさんと動いていただけに、買収を控えた背景には表面的な部分ではなく実際の数値を見た上での判断だったと思われます。

数ある買収を成功させたメドレーのPMIチームの手腕によって今後、大化けするのでしょうか。楽しみです。

色んな人が関わっていたTenxia、EXITにおめでとうの声が多数

こちらのTenxiaさんの買収に各方面からおめでとうの声が届いておりました。

「こころから」のアリコーさんも出資。


元LIPSマーケの「中川さん」


ぱそてるまで有名なぱそてるまさん。シードに出資されていたとのこと


YOUTRUSTの岩崎代表。

改めて、おめでとうございます!!

最後に:東大の志と、京大の志の2人が組んだTenxia社。次なる志にも大いに期待

今回の買収ですが、恐らく社員も3~4名ほどのため、どちらかというとアクハイヤーの要素が強そうです。
ちなみにTenxiaの代表2人は東大、京大とそれぞれ東西のトップ大学を卒業。名前には「志」という漢字が共通しています。

創業者2名ともに名前の最後に「志」がつく

メドレーの買収により、莫大な予算を得たTenxia社が更に大きな志に向けて動き出そうとしています。いやー、コンセプトは面白いので今後も楽しみですね。

以上、Tenxiaレポートでした。今回計算に使ったスプレッドシート欲しい方はSuan公式 LINEにご連絡ください!計算ミスなどありましたらご連絡ください。

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