バルクオム、「詐欺的な広告」で特商法違反の可能性。最安390円と謳い、初回解約で3,000円の違約金。

6月30日 23時10分:刀社よりご連絡および、資本提携解消のリリースがありました。本記事内のマーケティングには一切関与していないとのことです。該当箇所を削除しております。

皆さんはバルクオムというメンズコスメブランドをご存知でしょうか。
2021年には木村拓哉が広告塔となったことで話題になりました。

引用:FassionSnap

またサッカー仏代表のエムバペもアンバサダーと就任したり、ブランディングに非常に力を入れている国内スタートアップです。

実はこのバルクオム、2021年にUSJを再建した森岡毅氏率いる「刀」と資本提携。 ※本記事執筆後、刀社との提携は解消済みと発表。
グローバル展開を行い、「バルクオム」を世界で通用するブランドとして育てていくと発表しておりました。

ところが今回「バルクオム」が非常に悪質性の高い詐欺的な広告していることが判明しました。

そこで見えてきたのは特商法の違反にも繋がり兼ねない悪質なマーケティングの実態でした。

※消費者庁発表資料の表現を流用

バルクオム、初回390円キャンペーンを実施。実際は初回解約で3,000円を別途請求するものだった。

今回、Facebookで配信されていた広告がこちらになります。先着1,000名まで初回390円で貰えるという内容ですね。

Meta広告ライブラリより

こちらの広告、実際には「初回解約すると3,000円の違約金」が必要となっており、390円のみで購入できるものではありませんでした。

広告LPより

このような手法は「詐欺的な定期購入方法」として消費者庁が警告、今年6月の特商法改正のきっかけとなっております。

消費者庁資料より

では引き続き見ていきましょう。キャンペーンページへの遷移までの図がこちらになります。
アンケートに答えるとクーポンが渡され390円が適用、注文入力画面まで遷移したものの、一切、違約金については触れられませんでした。

引用:BULK HOMME LPより著者作成

おかしいなと思い、少し上にスワイプすると、「注文入力画面の上」に違約金に関する記載が存在していました。スムーズに遷移してしまうと違約金については気づけません。

引用:BULK HOMME LPより著者作成

分かりづらいので実際の動画がこちらになります。

これは…。この遷移で進んでしまった方は390円だけだと誤認しまうのではという印象です。
そして、さらにまずい状況がこの先に存在していました。

改正された特商法に違反か。違法認定もありえるバルクオムの「初回購入価格」のみの注文確認画面

これはまずいなという状況が注文確認画面で起きてしまっていました。こちらです。
適法性の怪しい箇所が存在しています。D2C界隈の方はわかりますでしょうか。

引用:BULK HOMME LPより著者作成

そうです、注文内容の内訳箇所と総額表示になります。
今年6月に改正された特商法では、定期通販の場合は内訳や総額も明示するようにという条文が加わったのです。

消費者庁が「違法性ない」と示した注文確認画面の参考図がこちら。
2回目はいくらなど総額表記がしっかりとありますね。

バルクオムに関してはスムーズに注文確認画面まで遷移した場合、ほとんど「違約金」という文字に触れられないような遷移となっていました。

また改正特商法で義務となった「総額」や「各回の料金」などの記載がされていません。

引用:BULK HOMME LPより著者作成

初回390円のみと誤認させる狙いが溢れ出ているように思えます。
ちなみに注文完了画面で記載はされているものの、390円が赤く強調されており、違約金のことを伝えるという意志は感じられません。

完了画面の全記載

そして今回、より悪質なのが「キャンセル料を撤廃した」という訴求の広告を事前に大量配信していたことです。

「キャンセル料撤廃」広告を大量配信し、過去イメージを変容、その後に今回のマーケティングを実施か。

実はバルクオム、このような詐欺的な手法をかなり以前から行っておりました。
GoogleMapで悪い口コミが書かれるほどです。

googlemapより

一部のユーザーからはバルクオムは初回だけ安く、キャンセルは違約金が取られるという認知があったんですよね。
そのためか、2023年5月ごろまで「キャンセル料を撤廃します!」という旨の広告を配信していました。

バルクオム、23年5月配信の広告LPより引用

そしてこの「キャンセル料金廃止」広告の配信翌月には、キャンセル料を徴収する390円広告の配信。

この流れ、巧妙すぎて絶句しました。

引用:BULK HOMME LPより著者作成

認知を取るというのはマーケティングの基本ではありますが、このような人を騙すようなマーケティング手法が良いとは到底思えません。

また、改正特商法に対応していない可能性のある点に関しては、早急な対応が望まれます。バルクオム、最近はこういうマーケティングしてなかった印象があったんですが…いやはや…

以下、Twitter投稿。(反響は該当ツイートまで遷移してください)

タイトルとURLをコピーしました