たった11名で売上400億円の「株式会アール」、元サイバーエージェント新卒が立ち上げたD2C代理店の暗躍。ブリーチ急成長の影に「アール」あり。

上場予定の株式会社ブリーチの記事、大変反響頂いております。上場審査をクリアしているとのことなので、このままIPOに至るとは思いつつ、引き続き注視させて頂いています。

上場承認の株式会社ブリーチ、「定期D2Cのアドアフィリエイター集団」だった。過激化するWEB広告の実態に迫る。
【続報】東証の「上場審査」ザルだったか。IPOの株式会社ブリーチ、記事LPを全削除。オプチャでの削除合戦へと発展。

そんな中、ブリーチ上場に際して露出した1つの会社が存在していました。
「株式会社アール」です。1社で100億円の取引という異常値。

こちらのアールを調査したところ、元サイバーエージェント新卒の方が代表ということまで見えてきました。アールとファーマフーズの関係性も推測しています。

注意:本記事のビジネスモデル図など商流については、本メディアによる憶測も含まれますのでご留意ください。

株式会社ブリーチ、上場資料で見えた売上7割(100億円)が1社依存の違和感

ブリーチの上場で1つの違和感がありました。それは売上の7割、およそ100億円が「株式会社アール」という1社に依存しているということです。

有価証券報告書より

1社に依存してしまうことで、この1社との関係性が悪化するとすべて失ってしまうというリスクが伴います。

そして、この1社「アール」を介していることで、「ブリーチがどこのメーカーの商品を売っているのか」が見えない状態となっていました。

有価証券報告書より

有価証券報告書内には「特定の大手企業グループ」と記載されていますが、こちらは調査の結果、ブリーチ運用広告の4~5割以上は「ファーマフーズ」の広告ということが判明しています。

Suan作成。ドメインの45%がファーマフーズ案件のものだった

このことから「株式会社アールはファーマフーズの代理店」であることがわかりました。
衝撃なのが、アール社は売上400億円にもかかわらず、なんと社員数はたった11名なんです。

求人サイトより引用

政府データ参照

ここまでは前回までの振り返りでした。更に調査を進めていくと、見えてきたのは「元サイバーエージェント 関西支社新卒の熱いブログ」でした。

株式会社アール、サイトは「The シンプル」。営業マン不在で400億円の衝撃

まずは、株式会社アールのサイトをご紹介します。

たった11名で年商400億円を叩き出しているとは思えないほどのシンプルさ…。代表者の経歴などももちろん記載されていませんでした。ご挨拶をみたところ、素敵な文章が。

営業マンは不在、紹介経由で売上を伸ばしているそうです。素晴らしすぎますね。
では、ここから調査を進めていきます。

サイトを創業期まで時代を戻すと見えてきた「代表者ブログ」

株式会社アールのサイトを創業期まで戻してみると、代表者ブログの存在が見えてきました。
アメブロを使っているようで、このアメブロを深掘って見ていくと…。

ブログに遷移すると凄いタイトルのブログが出てきました。川上社長のブログのようです。

そしてこのブログの2007年の記事に「いわしたるで、明治安田14階!!」という記載がありました。

これ、実は大阪梅田にあったサイバーエージェント大阪支社の前の住所なんです。

このあたりで2007年あたりのCA新卒ではないかという当たりが付きました。
さらに、アールが創業された2013年の記事を見てみると男性3名の映った写真が出てきました。アールの創業が2013年ですので、退職されたタイミングあたりに記念写真を取られたようです。

引用:https://web.archive.org/web/20131202064934/http://ameblo.jp:80/naniwa99-99/span>

モザイク処理を入れていますが、右がサイバーエージェントの木家氏(アドテック2016登壇)、左が現在CA役員の小池氏だと思われます。※めちゃくちゃ似ている方でしたら申し訳ございません。

ということで中央の男性が川上氏のようです。さらに調べると、川上さんらしき方がファーマフーズのニューモを使っているバナー画像が出てきました。

引用:https://nitter.1d4.us/albert9th/status/1429786754102398980

代表の川上氏は恐らく元サイバーの方ということで間違いなさそうです。

メイン代理店の役割をするには成果トラッキングの仕組みを含め、WEBの知識も当然必要になるので、元サイバーエージェントということでしたら納得感がある経歴ですね。創業10年弱で400億円はすごい..。

なぜ、ファーマフーズを筆頭としたD2Cは「アール」を経由するのか?ASP的立ち位置と推測

では、なぜD2Cメーカーはわざわざ株式会社アールを経由させるのでしょうか?
恐らくですが、全体的なリスク分散が狙いと思われます。

有価証券報告書より

直接アドアフィへの依頼を行ってしまうと、何か問題が起きた際に監督責任が大きくなる。

1社を挟み、品質管理・運用ごと任せることで柔軟なマーケティングが可能になり、その1社から素材などを配布することでアド効率も高められるというような狙いがあるのではないでしょうか。

大手D2Cメーカーとアドアフィ事象者の商流

あくまで推測ですが、実際にアールの初期に川上さんらしき方がクリエイティブに登場されているので、一部素材の配布という役割は大いにありえそうに思います。

株式会社アールの売上の殆どが「ファーマフーズ」ではないか。異常な広告費の支出

最後に、株式会社アールの売上400億円の大半はファーマフーズさんではないかという仮説についてです。下記はファーマフーズの広告費推移になります。直近で年間350億円規模に拡大しているのがおわかりでしょうか。

引用:IR BANK

そして、この数字とブリーチのアール経由売上の推移と並べると、成長曲線が近いんですよね。
アールの400億円という数字も、ファーマフーズの広告費と近い数字となっています。

各社開示資料より

アールが「ファーマフーズのWEB広告費の多く」を請け負っているとすれば、11名で年商400億円も達成可能な気がしました。一方で、ファーマフーズのボーナスタイムも終了が近くなってきているようです。

アール、ブリーチに暗雲か。ファーマフーズが「広告費の適正化」に乗り出していると発表

本日発表されたファーマフーズの決算説明で「広告費を適正化し、黒字が拡大した」と発表しています。

ファーマフーズの異常な広告費拡大によって、アール、ブリーチに恩恵があったとすれば、広告費の適正化によってボーナスタイムは終了する可能性は大いに有りそうです。

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