NASDAQから上場は意思決定の書面を受け取っていた「Warrantee」、無事に廃止を免れたようです。
【速報】NASDAQ上場のWarrantee(WRNT)、「上場廃止決定」書類の受領を発表。最短で11月7日にも取引停止の可能性。
【速報】日系スタートアップの「Warrantee」、NASDAQ上場廃止を免れる。
NASDAQより上場廃止通達を請けていましたが、上場維持となりました。この発表を受け、前日比+40%での取引となっています。https://t.co/bfa1xPzyoR pic.twitter.com/EcvcecQx1q
— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) February 6, 2024
開示された書面では、引き続きWRNTのシンボルで株式取引が可能と発表されています。
この発表をうけて、Warranteeの株価は前日比40%の上昇を記録しています。恐ろしい上昇幅ですね…。
その一方、決算書を見ていたところ、Warranteeによる歪な融資履歴が見つかってしまったのでレポートします。
旧Warranteeレンタルソリューションズのポンジスキーム疑義について、ダイキン工業からの回答を併せて掲載しております。
Warrantee、決算は黒字転換。粗利率は脅威の9割超え。
まずは決算から見ていきましょう。
Warrantee、2023年度の決算は黒字化していたようです。前期1億円弱の赤字から4130万円の黒字化に成功。素晴らしいですね。粗利率も9割超えと脅威の数字を叩き出しています。
続いてBSを見てみたところ、期末時点で現預金が残り172万円となっていました。これは少なすぎるのでは…?と思い、開示資料を探ったところ…。
WarranteeからCEO庄野氏に約4億円の融資、資金使途は不明。
上場した7月25日から約1週間後の8月1日に、Warranteeから庄野裕介氏に約4億円の融資契約をしたという記載がありました。
開示資料には資金使途の記載もなく、上場企業の資金の使い方としては極めて異様な取引です。
上場企業としても異例ですが、現預金が172万円という状況を考えると、単体企業としても異様な資金移動をしているように思えます。
上場企業の経営者さんですと、コムストックローンで株式を担保に融資をうけて現金化…はよく見かけますが…。
昨年11月から取締役・監査3名の相次ぐ退任、監査法人の変更など、Warranteeからの離脱が相次ぐ
Warranteeですが、昨年11月から取締役2名+監査1名が退任しています
急成長ベンチャーとしては異例の人事とも言えるでしょう。さらに監査法人も変更されたようです。
気になる方は、Warrantee開示資料の23年11月~あたりの開示をぜひご覧ください。
そもそもWarrantee社の収益はどこからか?未だ1社依存という歪な売上構成。
そもそも黒字化したWarranteeの売上はどこから来ているのでしょうか?確認してみたところ、未だバチェラー出演女性の関わる会社への1社依存となり、売上の88%を超えております。
売上推移は下記の通り、88%以上の収益をPaygeneに依存している状態のようです。
このPaygeneについては以前報じている通り、ポンジスキーム的事業の疑いのあるWRレンタルソリューションズの松木氏が代表を務めていた企業です。(※現在、松木氏はWRレンタルソリューションズの代表を退任済みとなっていますが、返済トラブルが発生した時点では関与していたことが明らかとなっています。参考:株式会社Warranteeからの刑事訴訟および民事訴訟に対する見解と方針について)
Warrantee社側は、創業時は庄野裕介氏も関わっていたが返済が滞ったトラブルが発生時点ではバチェラー出演の松木氏に経営権を譲っているため、関与していないと主張しています。
つまり、エアコンリース事業の返済遅延については全責任が経営者である松木氏にあると主張しています。その一方で屋号は同じ、時系列的にもスキーム開発自体は庄野氏ともみえるので主張が真実か疑問は残ります。
改めてポンジ詐欺の疑いのあるエアコンリース事業のスキームを説明すると、出資者は購入したエアコン10万円を消耗品として損金扱いにし、税金の削減。リースするため毎月収益でも戻ってくるというスキームとなっています。
本来リースされているので送金がとどまるはずがないのですが、こちらの送金が止まっている状態です。
エアコンレンタルのスキームについてダイキン工業に問い合わせたところ、「そのスキームは認知していない、現在、Warranteeとは取引自体ない」と回答がありました。
当メディアで把握しているだけで1億円~2億円弱の出資総額となっています。1台10万円だとすれば、1000台から2000台となり、ダイキンが把握していないのは違和感があります。
このような状況で、昨年末に約束されていた期日までに返済はされず、債権者には第一金主、第二金主から調達し返済するという通知が永遠と届いているようです。
毎度、状況が好転したかのように見せかけて、全く返金がされないため、現在、警察に対して詐欺事件として被害届の提出も進行していると関係者は話します。
またエアコンが実際に設置されているか確認しようとした債権者に対して「エアコン設置箇所の特定は難しい」旨の回答があったとのこと。
万が一、エアコン自体の設置が虚偽であればトケマッチと同様の詐欺案件の可能性がでてきます。
本件、Warranteeについては、エアコン投資事業に関与していないとしても、自社に類似した屋号で営業させていたはずで、元々の代表も庄野裕介氏です。
実際に無関係だとしても何らかのアクションを債権者に対して行うべきではないでしょうか。
このように疑惑が残り続ける中、Warrantee庄野氏については未だ何ら経緯を説明せずメディア露出している中、当メディアから送信したメール(23年9月11日、23年9月21日、23年12月27日)については返答がない状態となっております。
先日、日経CNBCにWarranteeが出演されたようです。
NASDAQ上場してどうでしたか、というぬるい質問ではなく、『期末時点で現預金172万円なのに、なぜ上場直後に代表個人に4億円弱の融資してるんですか?』と突っ込んだ質問もして欲しいですね。
資金使途も記載なく、上場企業としては異例でしょう。 https://t.co/r6c0xgXLxv pic.twitter.com/yHPcpbjfXN
— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) February 24, 2024
本スキーム出資者の方々に、一刻も早く平穏が訪れることをお祈りしています。
■参考リンク
日経新聞が担いだNasdaq上場の「Warrantee」、ポンジ的スキームで収益か。バチェラー出演女性も関わる歪な取引に迫る。
株式会社Warranteeからの刑事訴訟および民事訴訟に対する見解と方針について
【速報】NASDAQ上場のWarrantee(WRNT)、「上場廃止決定」書類の受領を発表。最短で11月7日にも取引停止の可能性。