某スタートアップ所属の社員が著作権侵害を繰り返していた事件から早くも1年が経とうとしています。
当該事件では著作権侵害だけでなく、記事盗作疑惑、表彰撤回など多くの混乱を招きました。
騒動の当時、実はSuanに対して「あのアカウントは裏でバフェットコードが関与している」というリークを複数頂いておりました。
このQuerieが寄せられた当時、Suanもバフェットコードをサービスとしては応援していた手前、事件の影響で著作権侵害ツイートは改められるかなと期待し静観しておりました。
しかし、2023年8月現在、またしても著作権侵害ツイートを繰り返すようになり、学生を募集しその手法を指南しようとしているようなのです。今回はバフェットコード・ギルドと呼ばれる“ビジネス系インフルエンサー集団”の実態に迫ります。
評価額6億円の「バフェット・コード」とは。企業調査で使える便利サービス。
バフェットコードは福田智宏氏が代表を勤めるスタートアップ企業です。過去の調達では評価額6億円ほどで調達されたようです。
サービス自体はかなり使い安く、上場企業や未上場企業のデータを簡易的に見ることができます。
#BCおしらせ
スタートアップデータベースを公開しました!
とんでもない追加機能です。スタートアップ約5,000社の
・業績
・社員数
・役員
・ファイナンス履歴
・類似企業
などを掲出。決算と社員数と類似企業が圧倒的バリューです。
掲載企業は順次追加予定。■SmartHRhttps://t.co/CBqtLlt7FE pic.twitter.com/lfRrSxjtB4
— バフェット・コード (@buffett_code) September 21, 2022
かなりおすすめのサービスなんですが、このバフェットコードがTwitterでは著作権侵害を行い、フォロワーを稼いでいるという実態が見えてきました。
たった10日で5件の著作権侵害疑義。著作権を無視したツイートで「バズ」量産か
下記の投稿のように、バフェットコードは引用無しで「書籍」「テレビ」からの情報を貼り続けています。
バフェットコードの直近10日前後のツイートを確認したところ、投稿10件中5件、およそ50%が著作権侵害と思われる投稿となっておりました。
ここまで常習的に行っていると、もはや感覚が麻痺しているとしか言いようがありません。
さらに問題なのは、彼自身が「この著作権侵害でフォロワーを増やす手法」を学生たちに指南している可能性があるという点です。
バフェットコードインフルエンサープロジェクトとは?昨年問題となった社員も参加していた
バフェットコードは「インフルエンサーPJ」(通称:バフェットコード・ギルド)と称して、学生を集め、彼のTwitterフォロワー増加方法を指南しているのです。
元参加者が著作権侵害問題で炎上したにも関わらず、懲りずに6月に募集をしています。
恐らくこのようにインフルエンサーを育てることで、情報拡散元を持ち、自身の影響力を高めるという狙いのように思われます。
実際に調査したところ、参加者の複数名がバフェットコード推奨ツイートを行い、さらに半数以上の参加者が著作権侵害スキームでのフォロワー獲得を行っている実態がありました。
バフェットコード推奨ツイートは下記のようなものになります。
そして、著作権侵害でフォロワーを増やすという悪質な手法に乗っかってしまったのが昨年炎上したスタートアップ社員の方のようなのです。
バフェットコード自身、彼女に対するツイートは異様に多く、かなり手厚く指導されていたようで、ほぼ同じスキームでフォロワーを獲得。
未だにアカウントは消されていませんが、フォロワー5.7万人の財産は残った状態となっています。
フォロワー稼いだもの勝ちと言わざるを得ない状況となっています。続いてバフェットコードギルド参加者の実態調査も行いました。
バフェットコードギルド参加者6名を調査。そのうち4名が著作権侵害を繰り返していた。
バフェットコードギルド参加者6名のツイートに関して「著作権侵害」「バフェットコード推奨ツイート」に関する調査を行いました。結果は下記のとおりです。
6人中4人がバフェットコード同様の著作権侵害ツイートを繰り返し、フォロワーを獲得している現状が存在していました。以下に彼らの行っているツイート例と手法をご紹介します。
[手法1] 本の一部を貼り付けエンゲージメント獲得。あえて書名を記さないことでリプライを獲得させる狙いか
下記の紹介は一部のみで実際には、より複数の著作権侵害ツイートが行われています。
YOASOBIに学ぶ、Twitter運用。それは、コンテンツを枯渇させない設計の構築。
シンガーソングライターは、自分の体験を元に作ることが多く、ネタは枯渇気味。それに対し、YOASOBIは小説が元であり、ネタが尽きない。
これはTwitter運用も同じで、発信するコンテンツが無限に湧き上がる方が続けやすい pic.twitter.com/0j7Xwb4iKz
— 井口隆二|勝ち筋分析 (@ryuji_startup) June 19, 2023
天然痘は人類が唯一撲滅した感染症ですが、そのワクチン戦略が面白い
最初全員に接種する計画だったが、95%に接種しても感染が止まらない
↓
患者を見つけた人に賞金を出し、その患者の濃厚接触者に集中してワクチン接種を進める
↓
徐々に賞金額を上げ、それでも患者は見つからなくなり、撲滅成功 pic.twitter.com/KFbmB9VZuw— Hirose Ryu (@dr_hrys) May 27, 2021
はじめまして、
有益なツイートありがとうございます。
書籍名教えて頂けますでしょうか?— ロードバイク初心者@トライアスロンを目指すもの (@CEO_triathlon) September 1, 2020
[手法2] テレビのスクリーンショットの貼り付け
住宅情報サイトのホームズを創業した井上氏が、創業当初「1日休めば1日世界が変わるのが遅れる」と信じて毎日20時間働いてサイトを運営していた話が起業家の鏡すぎて好き。
サーバーがよく落ちるので、3時間毎に目覚ましをセットして落ちていないかを確認していたそう。 pic.twitter.com/sopFzPl75O
— バフェット・コード (@buffett_code) August 1, 2023
ハイデイ日高家の創業者・神田会長が従業員に、保有する自社株のうち5億円分を無償譲渡。1人あたり約450万円相当。経営者の鏡ですね。
サラリーマンは資産を増やしたいと思っても年収しか見ません。SOや持株会について関心が向くことは少ない。
しかし実際に資産となるのは給与所得ではなく株です。 pic.twitter.com/ZkAiRiJF6x
— バフェット・コード (@buffett_code) May 21, 2023
周りの「大人」は、彼らに何も言わないのでしょうか。
そもそも「カンブリア宮殿」の切り抜きは企業分析ではない
このSNSビジネス界隈で企業分析というのは「書籍の切り抜き」「カンブリア宮殿の切り抜き」を指すようですが、そのようなものを企業分析というのには浅はかすぎます。
Twitterビジネス界隈に起きていたこと。
それは、他人のリサーチや出版物に著作権を無視してフリーライドしてフォロワーを増やし、自社サービスへ誘導するという手法。それを学生たちに伝搬する「大人」という存在でした。
このような行為がSNS上では、「フォロワー数が正義」としてまかり通ってしまうような残念な状態が続いていたようです。バフェットコード自体は素敵なサービスなんですが、無垢な学生を集めイリーガルな手法でフォロワー獲得を行う方法を指南しているとすれば言語道断ですね。