NewsPicksが取り戻すジャーナリズム、その報道がスタートアップの未来と社会を変える

いま、NewsPicksのジャーナリズムに注目が集まっています。

きっかけはNASDAQ上場ブームから上場廃止ブームに転じた背景への取材レポート。
そして落合陽一氏率いるピクシーダストテクノロジーズの上場廃止に迫った動画の公開です。

関連:落合陽一氏「ピクシーダスト上場廃止に関する声明」の“耐えられない軽さ”

「NASDAQ上場廃止ブーム」の真相に迫る、NewsPicks渾身の動画レポート

2023年後半、米NASDAQに上場した日本企業のうち、わずか1年足らずで上場廃止に追い込まれるケースが相次ぎました。

なんと、上場7社のうち4社が上場廃止に至っています。

セラノスやWeWorkなど、米国のスタートアップ界隈で騒がれた投資過熱をどこか想起させるような、日本発ベンチャーの“急上場”と“急降下”。これまでメディアの表舞台で十分に報じられてこなかったその陰で、いったい何が起きていたのか。

この「上場廃止ブーム」に切り込んだのがNewsPicks(以下、NP)、サンフランシスコまで訪問し、ナスダック上場ブームの立役者にインタビューを行っています。

ハートコアが関わったナスダック上場の日系企業は4社、うち2社が上場廃止していました。
このハートコア創業者の巨大な邸宅に訪問している取材動画は必見です。

そして上記動画公開の翌日、「ピクシーダストテクノロジーズ(落合陽一氏が率いるスタートアップ)上場廃止の真相」を含む“NASDAQ上場廃止ブーム”を徹底取材し、骨太のドキュメンタリーを追加公開しました。

元従業員にコメントまで求め、いくつかの不正疑義の告発に成功しています。NPの動画では元従業員コメントとして、次のような疑義が指摘されています。

指摘された疑義のいくつかをご紹介。

  1. 不正支払いと疑われる多額の広告費
    • アクセンチュアに対して、ピクシーダストが支出した広告費が「異常な金額ではないか」との内部証言。
  2. マッキンゼーへの超低価格ストックオプション発行
    • なぜか1円で発行されたという不可解なストックオプション。
  3. 大株主の意向で上場を急いだ?
    • 大株主が株を売り抜けるためにナスダック上場を急ぎ、ロックアップ解除後に大量売却→株価下落という構図。

特に根深そうなのは大株主の上場プレッシャーと売り抜けです。

同VCの売り抜けによってロックアップ解除後にこのような下落を引き起こしております。

NewsPicksが「仲間」に切り込んだインパクト。

落合陽一氏とNewsPicksは、これまでも「WEEKLY OCHIAI」などの番組で強いつながりをもつと言われてきました。そうした“懇意の関係”がありながらも、同メディアがピクシーダストの上場廃止問題を正面から取り上げたこと自体、多くの読者にとって衝撃的でした。

海外においてもセラノスのエリザベス・ホームズ氏が提唱した「未来医療の革命」、WeWorkのアダム・ニューマン氏が描いた「未来の働き方」。

一見、壮大な夢やビジョンを掲げる企業が巨額の資金を集め、メディアや市場が熱狂し、その後の“真実”や“実態”が曖昧なまま失速していく。これらは過去の“投資ブーム”の典型例とも言えます。

今回は、日本発のピクシーダストテクノロジーズが、わずか1年でNASDAQを去ることになりましたが、その背景には「ユニットエコノミクス不在のビジョン先行型モデル」という構造リスクが潜んでいたのではないでしょうか。

ジャーナリズムは未来と社会を変えられるか?

当メディアで幾度となく主張していた「スタートアップ界隈の”お友だち報道”」、そのような忖度なしにNewsPicksが切り込んだ姿勢はまさにジャーナリズムでした。

メディア側が“忖度なき報道”を続けられるのかどうかは、今後のジャーナリズム全体の転換点となります。かつてのセラノス、WeWorkと同様、未来を謳う企業への投資熱を牽引するのはメディアの報道でもあり、その報道が適切な形で機能すれば、投資家や社会に正しい方向性と警鐘を与えられます。

NewsPicksが“取り戻しつつあるジャーナリズム、今回の報道によって少しでも未来が変わったような、そんな気がする二本立てでした。おすすめです。

 

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