マイベスト、ステマ規制法違反か。消費者庁に確認しました。さらにアフィリエイト以外のリンクを失くす悪質なアフィ記事も露呈。

来月10月1日からはじまる「ステマ規制法」、法改正後もマイベストは各記事においてPR記載しない点についてSuanでは特集しておりました。

マイベストがついに「美容アフィリ」に本腰を入れるも、低評価だらけのクリニックを1位に。上位5位までアフィリンクなど残念な結果に。

記載すべきと取り上げていたものの、マイベスト側からの最終回答がこちらでした。

要約すると、マイベスト側は独自の基準で記事執筆しているため、ステマ規制以降も「PR」記載しないとのことです。
このような主張自体、規制法として抜け穴がある状態となりますので、早速編集部にて消費者庁へ確認しました。レポート記事です。

まずはマイベスト側の主張から振り返りましょう。

「mybest型」であればPR表記が不要?マイベストの広告ポリシーとは。

マイベストは9月8日、広告掲載ポリシーを公開しました。

引用:PR TIMES

ポリシーの内容としてはマイベストの記事は独自調査をしており、広告主は表示に関わっていないという理由でPR記載を行わないという内容です。
広告コンテンツ箇所にのみ「PR」を部分的に組み込むというもの。

引用:PR TIMES

こちらのポリシー制定には元消費者庁表示対策課にいた経歴の弁護士 染谷隆明先生も関わっており、現在その手法を「マイベスト型」としてセミナーなどで流布しているようです。

こちらの染谷氏の主張が「広告主と一切やり取りをしていない場合には、記載を免除できる」というもの。

引用:PR TIMES

一部ではこのポリシーに対しての意見もいくつか上がっておりました。

マイベスト側はこの法解釈にあたっては染谷弁護士に一任しており、マイベスト側から消費者庁への直接の確認はしていないとのこと。

マイベスト吉川氏とのDMの一部

ということで、早速、消費者庁へ確認してまいりました。

結論、マイベストのルールはNG。消費者庁の見解はアフィリエイト広告は原則、PRの記載は必要。独自の体験談は関係ない。

消費者庁に問い合わせたQ&Aが下記となります。

Q1:アフィリエイト広告において、体験談や調査を行った上で記事内容に事業者が関与していなければPR表記は不要か

A1:アフィリエイト広告は基本的にPR記載が必須となると考えて欲しい。

 

Q2:消費者庁の資料には「一切やり取りが行われていない場合」などは免除してよいと書かれていた

A2:例えばキャンペーンで全員に何かプレゼントするような施策であれば免除可というようなケースの説明であって、事業者から収益を得るようなアフィリエイトは原則的に記載必須と考えてほしい。

 

Q3:例えば、Amazonで買った商品がよくて、そのAmazonページへの商品リンクをアフィリエイトとして貼るなどの場合も記載は必要か。

A:アフィリエイトであれば記載は必要となる。

 

Q4:一部の事業者において事前に行った独自調査の記事に対して、事後的にアフィリエイトを貼るのであれば、PRが不要としているが

A:事前・事後などは関係なく、間接的にでも事業者から報酬を得るのであればPR表記は必要となる。そういう法改正です。

消費者庁の開示資料での原文データでもPR記載が必須との見解あり

消費者庁への照会時に、サイトでも質疑内容を公開しているとお教え頂いたので該当箇所を紹介します。

アフィリエイトプログラム、アフィリエイターを介した場合は非記載要件にはならない

ステマ規制の施行においては各事業者からの意見照会が行われており、その中に該当する意見が含まれておりました。

質問が冗長なのでまとめると、「ASP経由で一切やり取りしていなければ責任が問われないなら、悪用されるのでは」という旨の質問が左側ですね。

これに対し、消費者庁側の回答が右側で、ASPやアフィリエイター丸投げの場合には「広告と認められる」と回答しています。
文章が若干わかりにくいのですが、「該当しません」は非記載の要件には該当しないと答えているわけです。

続いて、マイベストの主張するPR非記載要件の前提となっている原文を紹介します。

そもそも非記載要件の前提として「商品説明などが含まれないこと」という前提が含まれている

続いてPR非記載でも良いという主張根拠となった原文がこちらです。

よく読めばわかるのですが、非記載要件とするためには役務内容や取引条件の詳細表示が行われていないことを前提としています。

消費者庁側への口頭確認の際に「キャンペーン」と言われていたのは、例えば「SNS投稿で◯◯もらえる」というような大規模キャンペーンで全ての投稿に対してPR表記管理をする必要はないという話とのことでした。

現状のいわゆる「マイベスト方式」の主張は消費者庁見解を拡大解釈していると言わざるを得ず、このまま10月1日以降もPR表記しない場合は違法の状態となる可能性があります。

消費者金融ランキングにおいて悪質なアフィ誘導記事も露呈。アフィリエイトサイトではないか

マイベスト側は「アフィリエイトを考慮せず、公正にランキングを付けている」と主張しています。

引用:X

その一方で、消費者金融のランキングにおいて明らかにアフィリエイト誘導だと思われる記事が確認されましたので紹介していきます。

引用:mybest

まず、記事上部では検証工程や比較項目を細かく説明しており、その中では「レイク」「dローン」「アイフル」といった消費者ローンが目立って紹介されていました。各調査項目ごとに1位を記載しています。

引用:mybest

それに対しての実際のランキングがこちらです。

何故か融資スピードのみ異常に偏重し評価しており、無利息期間が1・2位に比べ2倍長いレイクや、利率がもっとも安いdローンなどに対して「取扱なし」と表示し、遷移させないように妨害しておりました。

引用:mybest

リンクのある消費者ローンはすべて「アフィリエイト」となっており、明らかにアフィリエイトに誘導するための記事となっています。
このような状況でもPR表記をつけないというのは、無理があるのではないでしょうか。

問われる親会社Zホールディングスの責任と、マイベストの存在意義を問う。

月間3500万人以上が利用する「マイベスト」、社会的な存在価値が高まってきているからこそできる取り組みもあるはずです。

社会的困窮者も利用する消費者金融の領域、生活保護に該当するような状態の方や、母子家庭など、行政側の支援を受けるべき方の利用も存在しています。

引用:NTTデータ ─ 生活費目的での融資が50%

貧困層に対する行政援制度の課題として、「対象者がその選択を知らない」「対象外だと思っている」という課題が存在しています。実際に貧困層家庭のうちおよそ50%が児童扶養手当を利用したことがないと回答している調査もあります。

このような方々が制度を利用していない理由として、「対象外だと思うから」という理由が70%を超えており、制度を利用できることすら知らない貧困層が日本には多く存在している事がわかります。

マイベストが掲げる「最適な選択」というミッションを実現するためには、このような「知られざる選択」を提供することも、1つの社会的意義のように感じます。

また、Zホールディングスは子会社のマイベストを支援するだけでなく、法律を遵守するように指摘する義務も当然あるでしょう。10月1日からはじまるステマ規制法、施行された背景には多くの消費者の哀しみが背景にはあります。

なぜ、ステマ規制が導入されたのか。自社利益の最大化ばかりを考えるのではなく、各社今こそ立ち止まって考えるべきではないでしょうか。

【関連リンク】
【続】Yahooが子会社に行う検索結果の操作は「ステマ規制」の対象になるか。ZOZO、一休、クラシル、マイベストなどで優遇措置。

【独自】Yahoo、検索結果を恣意的に操作か。子会社「マイベスト」の検索順位優遇の疑義。

マイベストがついに「美容アフィリ」に本腰を入れるも、低評価だらけのクリニックを1位に。上位5位までアフィリンクなど残念な結果に。

【消費者庁への問い合わせ方法】
消費者庁への問い合わせ方法ですが、下記のように消費者庁サイトに記載されいます。

引用:消費者庁

事業者からの問い合わせなども広く受け付けていますので、10月1日より施行されるステマ規制法で不安な点がある方はぜひご相談ください。

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