国産のビジネス系SNSある意味で独自のポジションを築いていたWantedly、直近ではYOUTRUSTなど競合が増えあまり目立たない存在となっておりました。Xでも「Wantedlyはオワコン」というようなポストも散見される始末。
3991 ウォンテッドリー
四半期決算推移まとめてみたが、創業時はキラキラベンチャーだったが、完全に終わった会社に成り果てた。
前年比売上は-4%のマイナス成長、営業利益も-21%。
今期、広宣費削減のうえ、増収増益を目標にしているが、このままでは未達が濃厚。 pic.twitter.com/FMJe4PyAKU— x10bagger(10億り人) (@x10bagger) April 12, 2024
こちらについては補足的に当メディアからも「意外と業績は伸びている」という事実をポストしておりました。
Wantedly(3991)が不調だというPostが散見されます。
同社に関してはQベースで語るより通期で見るとしびれますね。上場時から既に売上は4倍、営利も約25倍に成長しています。
■Wantedly業績推移(1枚目)
2015年8月:売上4.51億円、営利-0.03億円
2017年8月:売上12.9億円、営利0.64億円(上場)… https://t.co/q0i8x67vV5 pic.twitter.com/oQbR8T5njD— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) April 14, 2024
調べていて見えてきたのがWantedlyの次に狙っている「福利厚生領域」がかなり熱いという事実。
市場としても新規参入がそこまで起きておらず、トップ2社の営利率は25-40%と以上な利益率となっていました。
今回はWantedlyが狙う意外と巨大な福利厚生アウトソーシング市場に迫ります。
Wantedly、8年で売上10倍、営利は15.9億円。既に利益体質に変化を遂げている
イマイチだとつぶやかれていたWantedly、業績単体でみると下記のような推移となっており、かなり堅調に成長しています。
上場時からでもしっかりと成長させているので、そこまで揶揄されるような業績ではないことは確かです。メディア露出が当時よりも減っているので、目立つ手段をとるフェーズではなくなったとも見れます。
次に狙うのは「エンゲージメント」領域、最注力は福利厚生のアウトソーシング「Perk」
そんなWantedlyが次に狙うのはエンゲージメント領域、ということで3プロダクトをたった1年で相次いでリリース。社史、エンゲージメント、福利厚生の3本柱です。
この相次いでリリースしたスピード感、いいですよね。
1本足打法ではなく、3つ出すことでまずはPoC的にニーズ検証し、そこから注力する事業を見極めるようなステップを踏んでいるのにセンスを感じますね。
この攻め込むエンゲージメント市場は5,500億円あるとのこと。
そのうちの1つ福利厚生の「Perk」でメガプロモを実施、2度も実施するという力の入れ具合です。
そしてエンゲージメント領域で注力するのが「Perk」だとWantedlyは宣言しています。
この福利厚生領域がかなり熱いことが判明したのでレポートとなります。
福利厚生領域のすごさ。ベネフィットワンとリロクラブの2巨塔の利益率と市場規模
福利厚生領域のプレイヤーは下記となっており、「ベネフィットワン」「リロクラブ」の二大巨頭となっています。どちらも上場しているので、数字を見ていくと衝撃的な数値が‥。
まず営業利益率ですが、ベネフィットワンに至っては25%、リロクラブに至っては44.8%という衝撃的なデータ。
ここからはWantedlyの数値も推定していきましょう。
Wantedlyの公表値からPerkの実績を推定してみた
Wantedly、Perkがうまくいっていれば「1社あたりのARPU」は上昇するはず、ということで試算をしてみました。
計算式は単純で「四半期売上 / 登録者数」=ARPUとして推定しています。1企業あたり登録UUも同じように推定したところ、Perk TVCM第二弾で大きく上昇していました。
これは…と思ったのですが、皆さん注意です。
一旦注意で、Wantedlyの開示データのロジックが途中から変更されており、大幅に契約者数が下方修正されておりました。計算し直しとなります。
計算し直したところ、そこまで大きな上昇は見えてきませんでした。
ARPUの底は上がっているような印象はありますが、目立って改善してるとは言い切れない状況ですね。
「心躍る」未来を作れるか、Wantedlyの挑戦とその先の未来
WantedlyがPerkで狙うターゲット、それはまさにベネフィットワンが取れていない層だと思われます。
ベネフィットワンも「小規模事業者」は開拓できていないと公言。Wantedlyの公表する資料とも重なります。
全盛期から株価は1/5程度になったWantedly、「転職」「エンゲージメント」すべてが繋がる世界を目指せるのか。今後の鍵となりそうです。
補足:Wantedlyにやってほしい新規事業案「法人向け健康診断」
健康診断のアウトソーシング領域とかやってほしいですね。スタートアップでもいくつか出てきているようでエムスリーもその領域を頑張るようです。このあたりはまた個別の分析記事を書いてみようと思います。ではでは…。