Wantedly(3991)が狙う「福利厚生」領域、競合の営利率は40%超えの金脈だった。ココロ躍る、未来を探る。

国産のビジネス系SNSある意味で独自のポジションを築いていたWantedly、直近ではYOUTRUSTなど競合が増えあまり目立たない存在となっておりました。Xでも「Wantedlyはオワコン」というようなポストも散見される始末。

こちらについては補足的に当メディアからも「意外と業績は伸びている」という事実をポストしておりました。

調べていて見えてきたのがWantedlyの次に狙っている「福利厚生領域」がかなり熱いという事実。
市場としても新規参入がそこまで起きておらず、トップ2社の営利率は25-40%と以上な利益率となっていました。

今回はWantedlyが狙う意外と巨大な福利厚生アウトソーシング市場に迫ります。

Wantedly、8年で売上10倍、営利は15.9億円。既に利益体質に変化を遂げている

イマイチだとつぶやかれていたWantedly、業績単体でみると下記のような推移となっており、かなり堅調に成長しています。

Suan編集部作成

上場時からでもしっかりと成長させているので、そこまで揶揄されるような業績ではないことは確かです。メディア露出が当時よりも減っているので、目立つ手段をとるフェーズではなくなったとも見れます。

次に狙うのは「エンゲージメント」領域、最注力は福利厚生のアウトソーシング「Perk」

そんなWantedlyが次に狙うのはエンゲージメント領域、ということで3プロダクトをたった1年で相次いでリリース。社史、エンゲージメント、福利厚生の3本柱です。

Suan編集部作成

この相次いでリリースしたスピード感、いいですよね。
1本足打法ではなく、3つ出すことでまずはPoC的にニーズ検証し、そこから注力する事業を見極めるようなステップを踏んでいるのにセンスを感じますね。

この攻め込むエンゲージメント市場は5,500億円あるとのこと。

Suan編集部作成

そのうちの1つ福利厚生の「Perk」でメガプロモを実施、2度も実施するという力の入れ具合です。
そしてエンゲージメント領域で注力するのが「Perk」だとWantedlyは宣言しています。

Suan編集部作成

この福利厚生領域がかなり熱いことが判明したのでレポートとなります。

福利厚生領域のすごさ。ベネフィットワンとリロクラブの2巨塔の利益率と市場規模

福利厚生領域のプレイヤーは下記となっており、「ベネフィットワン」「リロクラブ」の二大巨頭となっています。どちらも上場しているので、数字を見ていくと衝撃的な数値が‥。

まず営業利益率ですが、ベネフィットワンに至っては25%、リロクラブに至っては44.8%という衝撃的なデータ。

Suan編集部作成

ここからはWantedlyの数値も推定していきましょう。

Wantedlyの公表値からPerkの実績を推定してみた

Wantedly、Perkがうまくいっていれば「1社あたりのARPU」は上昇するはず、ということで試算をしてみました。

計算式は単純で「四半期売上 / 登録者数」=ARPUとして推定しています。1企業あたり登録UUも同じように推定したところ、Perk TVCM第二弾で大きく上昇していました。

Suan編集部作成

これは…と思ったのですが、皆さん注意です。

Suan編集部作成

一旦注意で、Wantedlyの開示データのロジックが途中から変更されており、大幅に契約者数が下方修正されておりました。計算し直しとなります。

Suan編集部作成

計算し直したところ、そこまで大きな上昇は見えてきませんでした。
ARPUの底は上がっているような印象はありますが、目立って改善してるとは言い切れない状況ですね。

Suan編集部作成

「心躍る」未来を作れるか、Wantedlyの挑戦とその先の未来

WantedlyがPerkで狙うターゲット、それはまさにベネフィットワンが取れていない層だと思われます。

ベネフィットワンも「小規模事業者」は開拓できていないと公言。Wantedlyの公表する資料とも重なります。

Suan編集部作成

全盛期から株価は1/5程度になったWantedly、「転職」「エンゲージメント」すべてが繋がる世界を目指せるのか。今後の鍵となりそうです。

Suan編集部作成

補足:Wantedlyにやってほしい新規事業案「法人向け健康診断」

健康診断のアウトソーシング領域とかやってほしいですね。スタートアップでもいくつか出てきているようでエムスリーもその領域を頑張るようです。このあたりはまた個別の分析記事を書いてみようと思います。ではでは…。

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