先日朝方から話題になっていたエンジェル投資家の宮本氏のツイート。
なんと、投資先が自己破産したとのこと。
今夜、投資先から突然、資金調達がうまく行かず、自己破産の申し立てをしましたとメールが来た。とてもショック。これが現実に起きること。投資の難しさを痛感しました。
今後、より目線を上げて、人を見る目、事業を見る目を鍛えていかねばならないし、投資する力、磨いていきます。— 宮本邦久➰エンジェル投資家➰上場創業社長 (@an0gel0) March 27, 2023
自己破産というハードシングスに対して、公でツイートしたことに対して、いくつか賛否の声はあったようです。ちなみに同タイミングで識学の安藤さんも「投資先が破産した」という旨のツイートをされていました。
エンジェル投資先が破産するって連絡あった。
そこそこ、使われるサービスになってたのに、現実は中々厳しいもんです。
社長は辛い日々を過ごしてるだろうけど、この経験を活かして、次は大きく飛躍して欲しいですね。
— 安藤広大/株式会社識学 代表取締役 福島ファイヤーボンズ オーナー (@ikuve) March 28, 2023
今回はこちらのツイート対象のスタートアップ企業調査と謄本から垣間見えた資金繰りの厳しさについて記事に致します。
相次いだ「投資先のスタートアップが破産した」、タイミング的に「ワスド」か?
この相次いだツイート、起業家側でほぼ同日にサービス停止をツイートしている起業家が1名おりました。デジちゃいむを展開するワスド社です。
まだ手続きとか対応の真っ只中だから不確定なことが多いんだけど、土壇場で調達が白紙になってリカバリー出来ませんでした。サービスだけでなく、会社自体も無くなります。ステークホルダーへの説明も全然出来てないのも申し訳なさでいっぱい。
方々への対応が終わったら色々シェアしたいですね。
— 328 (@328jp) March 27, 2023
デジちゃいむを存じ上げない方向けにいくつか説明をさせて頂くと、ゲームセンターなどのサービス業でスタッフの方を呼ぶためのSaaSですね。GIGOなどの大手も導入していたようです。
ちょうど3月24日にサービス終了のお知らせを出されておりました。
なんと、2年半で700店舗・400万件の利用があったとのこと。デジちゃいむの少し古い料金表がこちらです。
控えめに見積もってARPU5000円だと仮定すると、700店舗x5000円=月350万円。
月350万円x12ヶ月で年商4200万円(~1億円程度)ほどでしょうか。
呼び出し推移だけ見るとかなり筋良さそうな印象を持ちますね..。
しかし、社員20名ほどなので、単純計算でも少しARR4200万円~1億円程度だとすると赤字だろうなという印象です。
実際は累計で700店舗という話だとは思うので売上がどの程度あったのかは気になります。
ワスド社の謄本から見えてきた資金繰りの厳しさ。短期間でブリッジファイナンス的にJ-KISSを8回発行。
ワスド社の謄本を早速取得してみました。こちらが発行株式と資本金推移になります。
最終調達が令和3年の7月。あまり資金繰り厳しそうではないのかな?と思いきや、直近のJ-KISSの発行回数と頻度が異常な状態となっておりました。
8回の発行と、かなり細かく刻んでいたので表にまとめてみます。
着目すべきは発行タイミングで発行後の15日後に発行していたり、2ヶ月以内での発行を繰り返しています。これは見たこと無い…
恐らく相当資金繰りが厳しい状態で、資金調達のラットレース的な状態になっていたことが予測されます。
この状態だと経営者はプロダクトに向き合う時間がなさそうな印象を持ってしまいますね、かなり厳しかったのではないでしょうか…。
廃業するスタートアップの共通項が最近少し見えてきた。経営者のメイン業務が「資金調達」になっているケースが多い。
小刻みすぎる資金調達、ある意味でバーンレートに対するラットレースに参加してしまっている。一方で商人的なセンスで日銭を稼げる経営者は強いなと日々感じます。 pic.twitter.com/OciNxnAwMS
— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) March 28, 2023
エンジェル投資家が破産した起業家に対して「見る目がなかった!」とツイートしたのはかなりレアなケースでしたね。
ワスド社の採用や社内の取り組みは、かなり面白そうな取り組みをされていそうだったので落ち着いたらnoteなど書いて頂ける事を楽しみにしております。
個人情報は隠した状態のワスド社謄本はお渡し出来ますので、欲しい方はSuan公式 LINEまでご連絡ください。