NewsPicks掲載の『マイベスト社長、ステマ批判に反論』記事への見解と反論

10月12日、NewsPicksを通じてマイベスト社より「ステマ規制」に対する見解※が明らかにされました。NewsPicks – 【マイベスト社長】「ステマ批判」に反論する

当該記事はマイベスト 吉川社長がNewsPicksからのインタビューに応じたものとなっており、本メディアが指摘した点への回答となっております。

NewsPicks側からも消費者庁に照会をかけており、改めてマイベスト型というものが存在しないことが確認された結果となっています。(消費者庁見解については後述)

一方で本記事においてNewsPicks側の最終見解含めマイベスト社寄りの記事となっており、全体的に印象操作に近い記事となっておりました。

当該記事の印象操作的な箇所への指摘含め、改めて弊メディアの見解および記事内容に対して反論させて頂きます。

医療脱毛記事で1位のクリニックに対する言及への不信感

当該記事において、マイベストの医療脱毛記事で1位にしたクリニックについて下記の主張されています。

  1. カウンセリング時に予約が5回取れたため、予約の取りやすさは関係ないとした
  2. 恐らくマイベストが1位にした影響で3回や2回に減少してしまった
  3. 口コミが悪いと指摘があるが、マイベストは口コミには価値がないと考えている

マイベスト側の主張にユーザー視点はなく、アフィリエイト事業者視点のレイティングとなっていた

ユーザーにとっては価値のない恣意的な「マイベスト基準」を設定していた

まず1位とされているクリニックの口コミを見ると既に記事化時点の前から予約は取りづらいという記載が複数見られる状況でした。

これに対してマイベスト側は「初回のカウンセリングで5回取れるので良いとした」と独自基準を主張を展開しております。その一方でユーザーの口コミは「予約が取れない」で溢れており劣悪な状況となっておりました。

独自基準の「通いやすさ」というロジックにし、評点を上げている

実際の口コミは下記のようになっており、現実的な「通いやすさ」はかなり低い水準であることが露呈しています。

GoogleMap

一般的には通いやすさとは「予約の取りやすさ」です。カウンセリング時に5回(およそ10~15ヶ月分)をいっきに取れるからとして、現実的な通いやすさ無視し、評価点数を上げるのは暴論と言えます。

さらに無責任なことに、1位にした影響で「初回可能な予約数が2~3回になった」と発言。10月にレイティングを見直すと記事では語っていますが、未だに1位の状態です。通いやすさのレイティングもそこまで変動していません。

結局はインタビュー記事で、その場限りで「それっぽいこと」を言っただけのように感じます。

さらに、口コミの悪いサロンに送客し続ける理由について「口コミは無価値だから」とまで言い切っています。

そもそも医療脱毛や美容脱毛においては当該チェーンの口コミを考慮しなければ適切なレイティングは不可能なはずです。結果的にマイベストはシースリーを2位に掲げ、それを隠蔽したという企業体質が露呈しています。

結果として発生したのが破産サロンへの誘導

最も重要な顧客の声を軽視し、独自の評価ロジックでアフィリエイトを行うマイベスト。
それが消費者にとって正しい選択につながるのか疑問に感じます。

アフィリエイトはマイベストの記事内容に関与しないという明らかな嘘

続いてアフィリエイト記事の取り扱いについて、単価は関係なくランキングを付けていると説明していました。広告チームと編集部を分けているから記事内容にアフィリエイトは関与しないというものです。

こちらについて、消費者ローン記事においてはアフィリエイト以外のリンクを排除し、遷移を妨害。明確にアフィリエイト有無が記事内容に関与している点を改めて指摘します。

この消費者金融記事のリンク遷移の妨害についてNewsPicksインタビューでは言及されておらず、結果的にアフィリエイトリンクのあるものに対し、優先誘導している記事があるかぎりは「アフィリエイトを考慮しない」という主張は虚偽という状態となっています。

また当該記事には当メディアから消費者ローン記事について「生活保護に誘導すべきと批判した」と記載がありますが、提言したまでであり、そのような批判は行っておりません。

どちらかというと当メディアで批判していた骨子は、遷移妨害についてであってNewsPicks記事では言及されておりませんでした。

参考:マイベスト、ステマ規制法違反か。消費者庁に確認しました。さらにアフィリエイト以外のリンクを失くす悪質なアフィ記事も露呈。

NewsPicks側の結論は「読者に対する印象操作」か。曖昧な確認と曖昧な指摘。

NewsPicksではマイベストのステマ規制に対する対応について「二段構え」で問題がないと主張。消費者庁への照会もしておりますが、表現について印象操作と思われる箇所が2点ありますので指摘します。

1.明確にアウトと回答されているにも関わらず「グレー」と表現

1点目に、記事内でグレーだと結論づけている「アフィリエイト広告」に対する表現ですが、消費者庁は明確にアウトと回答しているにもかかわらず、「グレー」と表現しています。

消費者庁側が「極論」と言っているのは、記載不要な場合のルール(注5)についてであって、明確にアフィリエイトは「PR記載が必須」だと示しているわけです。

この消費者庁から「極論の特例」と言われている注5を拡大解釈したのが、「mybest型」と呼ばれる『独自基準であるから広告記載は不要』としたものです。

このスキームを提唱した染谷弁護士は手法を流布しています。本来であれば染谷弁護士にも適法性を照会すべきでしょう。

2.ステマ規制で定められている記載ルールについて部分的な確認のみで「問題ない」としている

2点目に「マイベストの表記が問題ないか」という確認についても、「広告」という言葉の確認にとどまっており、マイベスト記事のフォントサイズなどについて確認を取っていないように見受けられます。ステマ規制では、「明瞭さ」が重要なのです。

 

現在確認できるマイベストの記事ではユーザーが認識するのが困難だと思われる位置に表示されており、この掲載箇所やフォントサイズ、背景色で「広告表記している」として認められるのかを確認すべきなのです。

3.ASP側の定めているルールをマイベストが無視している件についてスルー

また当メディアでは「ASP側がステマ規制に対して明確にルールを定めているが、マイベストは違反した状態である」と指摘を行っています。

mybest型と呼ばれる「独自基準であるから広告表記記載はなくてよい」という独自の基準をありとしてしまえば、ステマ規制は水の泡なのです。この点についての言及もすっぽりと抜け落ちております。

そもそもmybest型と提唱していた手法については一切言及されていないのがNewsPicks記事の詰めの甘さです。

それでいいのか?NewsPicksとマイベスト。

一通り読みましたが、詰めの甘さが目立つインタビュー記事となっておりました。提灯記事と言われても仕方のない構成のように感じます。

手放しでマイベストを持ち上げるのではなく、もう少し切り込んだインタビュー記事を期待しましたが、残念な読後感となりました。

コメント欄でOpenWorkの大澤社長からも指摘されてますが、mybest吉川社長の「口コミは無価値」は言い切りすぎですし、mybestの評価が神の視点と言っているようなものなので、今後この主張は控えられたほうが良いように感じます。

引用:NewsPicks

またマイベストがステマ規制に対して提唱している「独自基準で評価をしているから、広告記載は不要」という主張についても、大澤社長のコメントにもある通り「その影響力と意味合いを考えた上で発信していただきたい」と強く感じます。

法律はかいくぐろうとするものでなく、骨子となる考えを遵守するものであってイレギュラーは認められません。マイベストのような大手企業が自身の独自のルールを押し通すことで規制が正しく運用されない可能性を憂慮しています

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