昨夜、人気書籍「女子大生、オナホを売る」を読了し、下記のツイートを致しました。
女子大生が発売した製品の口コミが思ったよりも低評価という内容ですね。
かなり売れているらしい「女子大生、オナホを売る」読み終わりました。
著者の出した製品群の殆どがAmazonで口コミ低評価。かなりこだわって製品開発したような記述がありますが、口コミを見る限りは市場にフィットしたとは言い切れない印象です。https://t.co/ekjrOU8X87だけに。 pic.twitter.com/qNOEYMGLa9
— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) May 7, 2023
書評関係のツイートをしたところ、事業家bot氏より怒涛のDMラッシュ。その後、深夜1時半に著者の神山氏との3名チャットを立上げられ、著者の神山氏より「名誉毀損で訴える」という内容が…。
【悲報】「女子大生、オナホを売る」について感想ツイートしたところ事業家bot(@Midnight_Tokyo )からDMでエグい量のDMが届く。
そして夜中1時30分に著者と事業家botの3名チャットが立ち上げられ、法的訴訟をちらつかせられる ←現在 pic.twitter.com/JXNeNJ81TH
— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) May 7, 2023
一方、同時進行でSUAN編集部では、女子大生が「オナホ」開発に至るまでの裏側を調査しておりました。そこから見えてきたのは
・本書には書かれていない元welqメンバーの率いる「アレテコ・ホールディングス」という集団との関わり
・自社ランキングサイトから自社製品を誘導するという「グレーなマーケティング手法」
でした。裏側に居たのは、DeNAのwelq関連に関わった高木健作氏が率いるアレテコ・ホールディングス関係者たち。
アレテコグループの事業実態をメディアが取り上げるのは初だと思いますので、ぜひお楽しみください。
書評、「女子大生、オナホを売る」。唐突にオナホ参入を提案する「関西弁の師匠」への違和感
「女子大生、オナホを売る」という書籍が人気です。SUANも拝読致しました。
シンガポールのマーケ企業でインターン、メディアを立上げて売却された当時女子大生の神山さんが男性用アダルトグッズ販売するまでのストーリーです。
著者の神山氏がインターンしていた企業は、「アレテコホールディングス」という会社とのことです。
元インターン先です!
— リコピン🍅 (@tmt_bass) May 1, 2023
こちらのアレテコ・ホールディングスとは、welq騒動のメディア立上げに関わっていた高木健作氏が率いるスタートアップ。意欲のある学生などを主体とし、マーケティングやD2C関連事業を複数立ち上げられています。
東大生を中心に採用を勧め、新規事業や子会社を任せていくスタイルで急成長。
複数の子会社や成功プロダクトを展開しているのがアレテコホールディングスです。
一方で代表の高木健作氏は、過去にWeb Tech Asiaという会社を経営していた際に著作権侵害でトラブルを起こしていた過去があります。
その後、DeNAに入社しますが、welq前後で退社していくという流れを経験されている方です。かなりSEO、メディアに精通されている方ですね。
そんな高木健作氏が、過去の失敗への反省もしつつ創業したのが、アレテコ・ホールディングス。
東大生の活用や若手の活用は成功し、Wikipediaでの紹介も下記のような略歴となっております。
CoinOtakuなどにも出資されていたとのことで、投資含めかなり敏腕経営者です。そのような企業に、「女子大生、オナホを売る」著者の神山氏もインターンされていたとのことです。
そして、本書の神山氏のお話に戻ります。プロフィールをおさらいすると、20歳でシンガポールの会社でWebマーケティング(アレテコホールディングス)、その後創業という経歴です。
音楽メディア売却後の進路を迷われていた神山氏ですが、「新規事業をやったらええやん!」と関西弁を話す経営の師匠に下記のような提案をされたとのこと。
※この経営の師匠が誰にあたるかは不明です。
関西弁の師匠から唐突な「オナホ作れば?」の提案。書籍にあるこの流れが唐突すぎて違和感がありますよね。
何故、オナホなんだろうと疑問に思い調査したところ、アレテコホールディングス関係者が手掛けるアダルトメディアの存在が強く関わっている可能性が見えてきました。今回はその裏側に迫ります。
そもそも「低評価」なオナホはどのようにして売れているのか?
本書では、Amazonマーケを制するというような項もあり、販売されたという商品を見たところ下記のような状態でした。
「Mr.Fit」というブランドなのですが、それにしても低評価のレビュー乱発です。
著者の神山氏は2020年9月に退任されており、一部関与されていないと思われるものもあります。
退任前の2020年1月などに販売開始した製品も存在しており、そちらも口コミが良いとは到底言えない状態となっておりました。
低評価レビューが起因してか、本製品は「オナホ」というワードで調べてもAmazon検索で上位にヒットしません。
では、現在は「どこからの流入」で売れているのか。
調べてみたところ、Google検索結果上位のメディアが「Mr.Fitの商品を1位」として商品を押し出しているようです。
アダルトメディア「PANPAN」が、下記のように殿堂入りの1位として紹介。Amazonアフィリエイトリンクはなし。
こちらのMyFitをゴリ押ししているPanpanというアダルトメディアの運営事業者は不明でした。
なんだかおかしいな、ということでPanpanというメディアの実態を調査したところ、神山氏の経営されていた「ちゅくる株式会社」との関係性が見えてきました。
アレテコ関係者の運営するアダルトメディア「Panpan」、月間520万UUの衝撃
オナホで検索上位を取っている「Panpan」、かなり直接的なアダルトメディアです。
月間UUは衝撃の520万UU(23年3月時点)です。
オナホで検索結果1位を獲得している記事の想定UU推移がこちらです。
検索ワードの獲得方法がすごくて、このような状況です。「オナホ」関連ワードはほぼ全て牛耳っています。
そして、こちらのアダルト運営事業者は不明。どこにも詳細が開示されておりません。
一方でPANPANのリクルートページを見ると「多くのヒント」が隠されておりました。
メンバー名と所在地に関して情報がありました。
下記の情報が後から紐づけで出てきますので皆さん覚えておいてください。
- Panpan編集部 メンバー
- MAX明るい子
- 関氏
- リョウ
- Panpan 事務所
- 神宮前(原宿)
- シンガポール
ここから「女子大生、オナホを売る」の著者、神山氏が代表を務めていた株式会社ちゅくるの求人と比較していきます。
Panpan編集部と「ちゅくる」の運営メンバーが一致。阿部氏など多くがアレテコ関係者
こちら2019年設立直後に掲載されたちゅくる株式会社の求人情報になります。
カミヤマ、セキ、アベアカルという名前に見覚えがないでしょうか…。
さらに謄本を取り寄せたところ、PANPAN編集部の「リョウ」だと思われる早瀬稜氏の名前も記述がありました。PANPAN編集部と全くの一致。
どうでしょうか。複数人の名前が一致。さらにオフィスも一致します。
下記がちゅくる株式会社の求人情報。シンガポール、神宮前オフィス勤務となっており、PANPAN編集部と一致しています。
Panpanとちゅくる株式会社で一致していたメンバー、オフィスをまとめた図がこちらになります。
ということで恐らくアダルトメディア「PANPAN」運営メンバーの多くが、オナホ製造の「ちゅくる株式会社」の経営にも関わっていたことが判明しました。
神山氏から本件についてヒアリングしたところ「ちゅくる株式会社を退任した2020年9月以前から既に事業から実質の撤退をしており、PANPAN事業との関わりはわかりかねる。求人に便宜上、代表者として掲載していた」と回答頂いております。
PANPAN関係者がアフィリエイトの難しいアダルト領域で商品を内製化し、販売という目論見か。
下記がPanpanのUU推移です。神山氏が、「オナホ作ってみれば?」と言われた時期にマークしています
ちょうど、UUがピークに達し、少し落ち込んだタイミングです。それでも毎月4万UUほど記事にアクセスしていますね。
実はAmazonアソシエイトではアダルト商品やアダルトメディアが審査落ちしやすく、アフィリエイトがしづらいという背景があります。
現状の商品リンクも、アフィリエイトではなく「URL直打ち」となっておりました。
1位のオナホを販売しているちゅくる株式会社がPanpanを運営しており(間接会社の可能性はあり)、強く関与するメディアで1位で宣伝しているという構図が見えてきました。
神山氏の師匠が唐突に「オナホ提案」をしたのは、アダルトメディア「PANPAN」の大量流入するUUを前提とした提案だったのではないでしょうか。さらに、アレテコとの繋がりについても解説していきます。
「ちゅくる」「panpan」「アレテコ」の関連性について。オフィスの一致など
現代表の阿部氏のWantedlyを拝見したところ、アレテコの幹部と判明。
そして、著者の神山さんもアレテコ元インターン生となっており、アレテコの繫がりがあることがわかあります。
さらに創業時のちゅくる株式会社の所在地自体が「アレテコホールディングス」の住所となっておりました。
女子大生がオナホを開発するに至った師匠からの一声。改めてその師匠が何故、「オナホ」を提案したのか見えてこないでしょうか。
女子大生がオナホを発売し譲渡するまでの流れ、アレテコ・ホールディングスという巨大スタートアップ・ファームが関わっていたようです。
アレテコ・ホールディングスの凄さを感じる一方で、このような消費者を欺くような恣意的に関連製品を1位に上げる手法は言語道断と言わざる得ません。
以前取り上げたメデュラがサテライトサイトで自社製品に1位と評価していた件とも類似しています。
自社で展開するSEOメディアによる印象操作が、購入された方のインターネット体験をよりよくしたかどうかは疑問です。自社商品を1位にしているメディアだと、もし購入前に知っていたら、買うのを躊躇した方は多いはず。
Googleの利用においては、いかにして本当に第三者の記事かどうかを見抜く、という段階に来ています。mybestのような志向性のメディアが増え、より魅力的なインターネットになるよう強く願います。
【関連記事】
「女子大生、オナホを売る」のオナホ、無許可製造か。知られざるアダルトグッズ市場の闇に迫る。
【編集後記】
本書籍の「製品作り」についての考え方については参考になる記述も多かった反面、口コミレビューを踏まえると実態とのギャップを感じてしまう書籍という印象でした。
この記事読んでから読むと面白いかも?Kindle版で1400円程度、2時間程度で読了できますのでぜひ。