海外で黒字化を目指す飲食店向けEC「Kamereo」、徹底した自前化で急成長。EC、物流、製造の一体化で独自の発展を遂げる。

ベトナムで急成長している飲食ECの「Kamereo」、日系スタートアップのご紹介です。
現在の契約店舗数は3000店舗、日本でも目にする大手のチェーン店が名を連ねています。

サービス内容はシンプルで、飲食店に必要なものを一つのプラットフォームで注文ができるというもの。日本でいうアスクルやモノタロウの飲食店版ですね。

ベトナムで成長する飲食PF「Kamereo」、2025年末に黒字化を目指す。資金調達金額は累計21億円

代表の田中氏でインタビュー記事が紹介されていました。25年末に黒字化を目指しているとのこと。

現在はベトナムで3000の顧客を抱えているとのことです。資金調達金額は累計21億円。
Kamereoが凄いのは徹底した内製化です。物流、食材、その他製品をKamereoブランドとして内製化していっているとのこと。

このモデルに発展した流れが面白かったのでご紹介します。

ピザ屋の経営に携わったペインから「食材EC」を考案するも、クレーム多発。発展的ピボットで仕入れ、物流の内製化に踏み切る

実は創業者の田中氏、ベトナムピザチェーンのPIZZA 4P’sの取締役という経歴の持ち主。
PIZZA 4P’sも日本人起業家のピザスタートアップ、世界32店舗を展開しています。ちなみに麻布台ヒルズにも昨年に上陸しています。

PIZZA 4P’s時代に「食材の仕入れが面倒だった」という経験から、Kamereoモデルを着想。
従来の食材仕入れは市場に買い出しにいく必要があり、おばちゃんたちが在庫管理をしているため欠品なども多かったとのこと。

そこで考案されたのがKamereo。仲卸業者と顧客を繋ぐマーケットプレイスというアイデアでした。しかし、このモデルでクレームが相次ぐ結果となります。

顧客から「注文したが配送がこない」などのクレームが相次ぎ、「これでは品質がコントロールが出来ない」として、Kamereo自身で仕入れや配送の内製化に踏み切ります。

現在のKamereoでは、仕入れ・倉庫・配送などすべてを自社で内製化しているとのこと。

いわば発展的ピボットですね。現在は農家などと提携し、自社ブランドの野菜を飲食店に配送しているようです。夜12時までの発注で翌日の開店前までに届くって、アスクルより早い可能性すらありますね…。

さらに面白いのが、ECからも発展。現在は「もはやメーカー」となっているようです。

Kamereoはもはや生鮮メーカー、エビのいけす、カット野菜…etc

Kamereoではエビのいけすを用意して、生鮮食品を鮮度高く配送する取り組みをしていたり…

カット野菜を自社ブランドとして提供していたり…。

割り箸などもプライベートブランドで展開しているようです。

飲食ECという側面はありつつ、メーカーに近い機能となってきています。
日本でもこのレベルでやれてるスタートアップっていないんじゃないでしょうか…。

ちなみに組織体制は下記のようなトップダウン体制になっているとのこと。

この展開、急成長はトップダウンあってこそなのかもしれません。

Kamereoの田中CEO登壇イベントが6/28(金)開催。海外展開を検討しているスタートアップ必見

Kamereoの田中CEOが登壇するイベントが6/28(金)に開催されるとのこと。
食品系のプラットフォーマーさんや、海外展開を考えているスタートアップ界隈の方はぜひ。

【CEO対談】海外スタートアップ経営の課題と、成長に導くためのポイント

6月28日(金)19:00~、ベトナム現地でも18時から開催するとのこと。
オイシイファームさんもですが、海外で活躍する日系スタートアップは国内でもあまり見かけない戦略で成長しているケースが多いような印象です。何かヒントがあるかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました