気持ち悪さの正体ですが、「サービス満足度の開示データ」に違和感があったので追記させて頂きます。
【追記】SHEの開示する満足度91%は「サービス卒業生の満足度」ではなく「体験レッスン」の満足度だった
SHEが採用ページで91%の満足度と開示していたデータですが、こちらSHEサービス自体ではなく、体験レッスンの受講者のアンケートだったようです。
体験レッスンということは無料で体験された方々の満足度なのではないでしょうか。
サービス提供者として、サービス利用ではなくお試し満足度を開示することには強い違和感を感じます。
以上、追記でした。卒業生の方からも色々とお話を伺えていますので続報を書くかもしれません…。
(追記終了)
女性向けキャリアスクール「SHE likes」を運営するSHEさんが大規模資金調達のリリースを発表されました。
その金額なんと18億円とのこと。すごい金額ですね..
足元の業績も非常に好調のようで、今回の発表と同時に採用ページも公開されておりました。
インパクト人材を求むと謳われたそのページでは、詳細な事業KPIなども公開した170ページに渡る採用資料が公開され、非情に良い仕上がりに。ですが、キャリアスクールとして最も大切な「スクールとしての成果」が抜け落ちており気持ちの悪さを感じたのでご紹介します。
まず売上のスライドより、売上は16億円、前年比150%成長とのこと。
続いて継続率などの数値です。LTVは驚異の31万円。
長期目標も公開されておりました。
売上100億円、営業利益35億円とのこと。営利率35%ですか…素晴らしいですね。。
コミュニティの自動化率についても気になる。
採用資料に抜け落ちた「社会課題を解決しているのか」という視点
採用資料では、熱いメッセージが数多く書かれておりました。
SHEを通じて下記資料のような男女の賃金格差など社会問題を解決するという内容です。
一方で170ページで一切触れられていない内容があります。
それは、「SHElikes」を受講した生徒の所得がどのように変化したかというデータです。
資料では下記のように有料会員数が6000人いると開示されているのですが、この方々の所得がどうなったのかという点は一切触れられておりません。卒業生に関しては6万人以上と公表されています。
キャリアスクールの究極目標は「売上を上げること」でもなく「チャーンされないように管理する」ことでもなく、【受講者の所得を改善すること】のはずです。
満足度という数字は開示されておりましたが、キャリアスクールを謳うのであれば、卒業生の所得・キャリアがどう変化したのかを示すべきだと感じます。
資料内ではSHEの中で循環させ、実質無料で受講させるというような記載もあり、マッチポンプ的な事業ではないかと不安を感じました。
満足度調査ではなく、本当にキャリアスクールとして対価を払った見返りを提供できたのか、そのような視点を書くべきではと感じた次第です。
資料のデザインや構成は非常に良かったのですが、その一点が最も重要であるにも関わらずSkipされているのはわざとなのか、追っていないのか。
もし追っていないのであればキャリアスクールとして謳うのであれば、追うべき指標であると感じます。
スタートアップ匿名アカウント界隈でもSHEについてのツイートをまとめた
匿名アカウント界隈でも賛否のSHE調達ニュースでした。
そもそも創業者のツイートやnoteも好きではないし、いわゆるプログラミングスクールを女性向けにお化粧したようにしか私は捉えていなかったのだけど、それ以上にこういうふわっとしたもので何とか食えると思ってる人が好きになれないなと最近感じる。
— 坂口ジャス子 (@jusco00) October 26, 2022
てかマーケ勉強したいってなった時に、SHEのマーケ入門のコース取るって意味が分からん…。グロービスのMBAマーケティングでも読んどきなさい。それか現代マーケティング論。それ5回読んでからでいいやろ
— 坂口ジャス子 (@jusco00) October 26, 2022
SHEさんは共同創業者と現社長で何があったのかだけ知りたいです
— スタ猫 (@nekonekostartup) October 26, 2022
SH○の
>働き手側はより一層のリスキリングが求められます。学習を進めるだけでは仕事には結びつかず、転職プラットフォームには育成の仕組みが存在していないので~というのはまさに元共同創業者の居たテックなんちゃらのモデルですよネ。クリエーターの育成から転職まで斡旋デショ?
— メアリー・ジョン・マクレガー (@doumoosewani) October 26, 2022
残念ながら、自分でキャリアを付けられる人物ってのはそういうスクールではなく自分で情報やチャンスを取りに行ける能力値も込みなんダワ。ワナビー世代が一番響くサービスなんだろうね。本質的な成長とは何かを分析する人は多分相性悪い。
— メアリー・ジョン・マクレガー (@doumoosewani) October 26, 2022
「年収があがる」という謳い文句のプログラミングスクールが大量に立ち上がり、結果的に低スキルのエンジニアが増えたように、そのような事にならなければよいなと感じます。
今回の資料、事業としての収益性の高さやサブスクリプションでの安定収益などは魅力に感じましたが、一方で170ページに及ぶ資料の中で、スクール参加者の受講結果という最も重要な要素が抜け落ちている、その一点に非常に気持ち悪さを感じました。
ビジネスとしては受講者を滞留させ、月額を徴収し続けるのが正解かもしれません。ですが、キャリアスクールを謳う以上は「参加者をいかにより良い就労環境を提供し、卒業させたか」をより資料で書くべきです。
顧客への価値提供がビジネスの本質であり、ビジネスの最終成果は売上や利益ではなく「価値提供」です。本来、価値提供の結果として売上や利益が続くもので、逆転させてはいけないのです。
SHEがどのようにして「SHE 評判」などの検索結果を肯定的な意見にしたか、などの情報もSuan公式 LINEでは配信予定です。
それにしても、卒業生の進路やキャリアアップの結果は、気になりますよねぇ..