家具サブスク「airRoom」で異様なクレカ決済の報告が相次ぐ。自称”元ホームレス”の起業家ストーリーは嘘か真実か。

家具レンタルのスタートアップ「airRoom」※?クレジットカードの”異様な”誤決済報告が相次いでいます。報告の内容としては下記のようなもの。
※社名はエアルームテクノロジーズ社ですが、本記事においてはairRoomとして表記致します

  • キャンセルしていたのに決済がされ続けている
  • 会員登録のみの状態で10万円決済がされていた
  • 誤決済について問い合わせているがCSから返信がない

このようにクレジットカード自体の信頼性を毀損するような報告が相次いでおります。
レビューサイトでも同様のレビューが多数ついており、サービス評価が星1点となっておりました。

今回はこちらの誤決済報告についてと、airRoom代表の大藪さんの「高校時代ホームレスをしていた」というストーリーの真偽についても調査致しました。

airRoom代表の大薮雅徳氏の壮絶人生。中学でホームレス、大学受験は「予備校のゴミ」で。

先日、Twitterで大藪さんの記事をご紹介したところ非常に多くの反響を頂きました。

内容としては、
-中学時代に親が蒸発、住居を追い出される
-高校3年間は弟と公園でホームレス生活
-大学受験は予備校に落ちていたゴミで勉強し、法政大に進学
という壮絶ストーリーです。

週刊文春で掲載されたインタビュー記事は多くの人に感動を与えた

まさに、”ハードシングス”。

こういった原体験のある起業家には資金も集まりやすいですし、応援したくなりますよね。
結果として、airRoomには著名なVCや投資家がこぞって出資しており、社外顧問には大塚家具の大塚久美子氏も名を連ねておりました。

家具レンタル「airRoom」、社外取締役に元大塚家具の大塚久美子氏や、出資者も著名投資家が集まっていた

airRoomの最終調達日は令和4年となっており、評価額は下記の通り10億円程度のようです。(A種優先株のみ発行)

引用:INITIAL

airRoomに出資されたファンドやエンジェル一覧がこちら。

株式会社コロプラネクスト / 名古屋テレビ・ベンチャーズ合同会社 / F Ventures LLP有限責任事業組合 / 株式会社オークファン / Sevenwoods Investment株式会社 / 柄沢 聡太郎 / 児玉 昇司 / 坂本 達夫 / 西江 肇司 / 三木 寛文

名古屋テレビやコロプラなどのCVCから、エンジェルの方も著名な方が多く凄いですよね。さらに驚きなのが社外顧問として元大塚家具代表の大塚久美子氏も協力されているそうです。

若い経営者×業界に精通する経営者という組み合わせで、またさらに資金が集まりやすいようなチーム構成のように感じます。このあたり、大藪さんが元々在籍されていたFiNCと少し似ている気がしますね。

ところが、このairRoomでクレジットカードの”異様な”誤決済の報告が相次ぐ状況となっております。

airRoomでクレカ誤決済の報告が相次ぐ。カスタマーサポートからの返信も遅延か

冒頭でご紹介したクレカ誤報告ですが、note、Twitter、口コミサイト、あらゆる場所で報告が相次いでいます。

出典:Google口コミ、クチコミネット、Twitterなど、複数の場所でクレジとtカード誤決済の報告が相次ぐ

内容を一部ご紹介すると下記のようなもの。(クリックして拡大)

Googleクチコミのレビューを転記、Twitterにも同様の報告が相次いでいる

キャンセルしたが決済され続けている、会員登録なのに10万円決済されていた、など信じられないような内容となっております。ちなみにairRoomにおける決済トラブル、はじめてTwitterで報告されたのが2019年となっておりました…。

また、そもそも商品の発送自体が予定と相違していたり、返却出来ないというようなトラブルも別で抱えているようです。

引用:レンタル品が用意されないレンタル家具サブスクとは?、トラブルの経緯含め詳細に記録されております

恐らく無在庫品を掲載、レンタル申請があったら購入というフローを取られていたと思うのですが、それにしても酷い..と言わざる得ないトラブルの顛末が書かれたnote記事も公開されておりました。

そしてこの“クレジットカードの誤決済”ですが、過去にはスタートアップ代表が逮捕された事件にまで発展したケースが存在しているのです。。

意図的な誤決済であれば「電子計算機使用詐欺」に当たる可能性も。スタートアップでも逮捕事例有り

2021年5月10日、「あくびコミュニケーションズ」代表の遠山和久氏が逮捕されました。
電子計算機仕様詐欺の疑いという罪状とのこと。

こちらの事件内容としては架空のサービス名目で顧客に対しクレジットカート決済を行っていたとのこと。
被害総額は5.8億円にもなります。

今回のairRoomの件に関しても、認知していないユーザーもいるはずで、恐らく被害者はSNSで報告しているユーザーよりも多いはずです。

このキャンセル後も決済し続ける、などの誤決済がairRoom社側が意図的に行っていれば、あくび社と同様の罪に問われる可能性は高いと思われます。
またそもそも、誤決済にあったユーザーの報告を見ていると「CSに問い合わせても返信がない」というような報告が散見されます。

このようなクレジットカードの誤決済を行った/行った可能性があれば会社側からユーザーに連絡をすべきですし、調査を行うべきという話ですよね。一般的な会社では下記のようなリリースを出していたりします。

airRoomに一体何が起こっているんでしょうか…。

決済不備というセンシティブな問題に対し、自らアクションを取られていない”異様さ”に、非常に危険性を感じます。
もしこちらの記事を読まれた株主がいれば、速やかにairRoomに対し帳簿閲覧の請求すべきではないでしょうか。

ところで、大薮雅徳氏の”ホームレス経験”などの壮絶な話はリアルか?調査してみた

あ、そうそう。話は変わってしまうのですが、ホームレスだったと自称するairRoom代表の大藪さんの経歴に関しても懐疑的な見られていたので調べてみました。

ネット上では下記のように経歴に指摘をする声が複数存在していました。

ということで、airRoom社の謄本を取り寄せたところ、創業時の大藪さんの住所が記載されております。
こちらの住所を調べたところ名古屋にある3LDKの分譲マンションでした。

大藪社長は1995年生まれ、最初の登記時点は2018年なので23歳なんですよね。

大学入学から考えると、この時点で住所変更していない可能性は考えづらいですし、分譲マンションで追い出されるという話も少しおかしいなと感じます。
ホームレス説、に関しては証明は出来ないと思いますが、登記簿だけを見ると高校3年間ホームレスという話は本当か怪しい印象を受けました。

他にもツッコミどころが多数という声も

その他にも、上記のような指摘がインターネット上ではされております。

投資家や社員、取引先は創業者の生き様や原体験に共感し、出資や協力される事も大いにありますので、ストーリーか真実かどうかという点は重要です。

Sevenwoods Investmentの出資先で相次ぐ「顧客に対する重大な過失」。その時、投資家がすべきことは

今回のairRoom記事から少し前にご紹介したYUIMEX社も似たように「決済済みのアニメグッズを半年以上発送しない」という問題を起こしておりました。

参考:アニメグッズ販売の「YUIMEX」、半年以上も販売商品を届けないままサイト停止、問い合わせ無視でトラブルに。出資したANOBAKAはポートフォリオ一覧から既に削除済み。

実はairRoomと共通するのが投資家が同じという点です。

Sevenwoods Investment株式会社というVCです。各社のそこまで細かい動きは見きれないという話はあると思いますが、共通しているのは興味深いですね。

そして、このように投資先が「明らかな問題を起こした時」に投資家がすべきことは、何らかの誤が働いていないかを自らの目で確認することです。
議決権3%以上という比較的マイナーな持ち分でも帳簿は閲覧出来ますので、しっかりと中に入り、投資した資金によって「顧客が不利益を被っていないか」を調査すべきです。

それにしても、スタートアップが顧客を騙すような実態を連続で見てしまい、愕然としまました。
カスタマーサポートの対応スピードというのは大切で、ましてや金銭に関わる問題であればより迅速に対応するべきです。無視や音信不通などは言語道断です。

決済する側からすれば「売上」は単なる数字かもしれませんが、その売上には一人ひとりの顧客が、アルバイトで稼いだようなお金や、100円貯金を取り崩したような大切なお金も含まれているということを意識してほしいのです。

しかし、これらの企業に出資したVCや投資家は、彼らにどのような話をされているのでしょうか。
顧客対応を疎かにするような企業に明るい未来があるとは思えません。

スタートアップへの挑戦を歓迎するのも結構ですが、このような顧客を欺くような経営は社会悪なわけです。政府のスタートアップ優遇でこれからも起業は増えると思いますが、投資家がこのような起業家を監督するということがより重要になってくるのではないでしょうか。

参考:そのキャピタリストの”甘さ”がスタートアップ産業を”ぬるく”させてしまわないか

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