過去に取り上げたD2Cスタートアップ「メデュラ」、薬機法違反やコンセプト疑義などで話題となりました。実はこのメデュラの急成長に影の立役者が存在していたことをご存知でしょうか。
今はめっきり見かけなくなった「Youtube漫画広告」、この漫画広告の運用をアドアフィと呼ばれる手法で行っていた会社が判明いたしました。一時期は下記のような漫画広告がひたすら流れてきましたよね…。
そのYoutube動画を運用していたアドアフィ企業こそ、「女子大生、オナホを売る」著者のインターン先だった「アレテコ・ホールディングス」グループの5betでした。大元のアレテコは元々welqに関わっていた高木健作氏が代表を務めています。
さらに5bet以外のアレテコホールディングス系アドアフィ企業も急成長しておりました。
今回はアドアフィとD2Cスタートアップの関わりについてご紹介致します。
信じられないほどの驚異的な成長を遂げていた「アドアフィ界隈」、驚きの成長曲線でした。
そもそも「アドアフィ」とは?広告費と成果報酬のアービトラージで稼ぐ新たな手法
そもそも、アドアフィリエイト(通称:アドアフィ)とはどういうビジネスモデルなのかをご説明致します。
SNSで見たことあるある!という方も多いのではないでしょうか。
広告主に代わり、広告を配信し、低単価でユーザー獲得し、成果報酬を受取る。この広告費と成果報酬の差分で利益を取るビジネスモデルです。
構造的に「過激な」広告になりやすく、Youtubeで幾度となく問題になっていた「マンガ広告」などもこの類です。
具体的には下記のようなフローとなっております。タップした事のある方も多いのでは。
このビジネスモデルが秀逸なのは「即日」で利益が出るという構図です。
従来の主流だったSNSやSEOとのアフィリエイトと比較した図がこちらです。
従来のSEO、SNSは芽が出るまで時間がかかりましたが、広告運用は即日から配信可能なので、うまくやれば短期間で利益が出せるんですよね。
このアドアフィをメインに急成長したのが元welqの高木健作氏率いる「アレテコ・ホールディングス」グループの「5bet」でした。
Youtube漫画広告などのアドアフィ会社「5bet」、3期目で売上26億、営利8.5億円の衝撃。
アレテコホールディングスグループの5bet(代表 若松徹氏)、彼らはまさに「Youtube漫画広告」などのアドアフィリエイトで急成長を遂げていました。
下記が5betの事業内容です。まさにD2Cスタートアップの影の立役者といっても過言ではないようなメインクライアントたちですね。
※コミットメントとして「コンプレックスを刺激しない訴求」と公言されているので、巷でイメージされている漫画広告よりもクリーンなものを運用されていたようです。
それにしても驚きなのが、資料内に記載されていたのは衝撃的な売上推移の数々。なんと3期目で26億円を突破しています。
さらにこの5betですが、前回「ただの炭酸水」D2Cという記事で紹介したHADO社へ出資も行っています。
アレテコの孫会社がHADOという状況でしょうか。
出資先と記載しているHADOに関しても2期目で売上10億円を突破。驚異的すぎる成長です。
※一方で、HADOに関しては代表の田中氏が「完全自己資本」と記載しており、既に買い取っている可能性があります。出自からしてアレテコ系列ではあるのでアレテコグループとして本記事では紹介致します。
そして、こちらのHADOに関してもメインクライアントとしてメデュラを展開する「Sparty」がいたことが判明しています。Spartyの広告代理店向け会合で表彰されておりました。
表彰までされているので、かなりの金額を動かしていたことは想像に容易です。
メデュラに関してはパーソナライズというコンセプトが実現出来ていないことや、あえて解約しづらくする導線の悪質性を本メディアでは取り上げておりました。※1
そのような製品の拡販には、5betやHADOのようなアレテコ関係のアドアフィ集団が裏で活動していたということをご理解頂けたのではないでしょうか。
※1:300万本販売のパーソナライズシャンプー「MEDULLA」の拝金的ビジネス手法の全貌。華麗なるスタートアップに隠された闇と、投資家の功罪。
アレテコグループ3社の総額が単期56億円の衝撃。
さらに資本関係は不明ですが、アレテコグループにはもう一つ「Senjin Holdings」というアドアフィ会社が存在しており、Senjinに関しても売上は20億円を突破しているようです。
ということで、アレテコ界隈のアドアフィ系3社「5bet」「HADO」「Senjin Holdings」の売上をまとめてみました。
【アレテコ界隈 3社の売上】
・5bet:売上26億円
・HADO:売上10億円
・Senjin Holdings:売上20億円
総額:売上56億円
期間は統一していないですが、この金額はかなり驚きますね…。
スタートアップという垣根を超えて、彼ら「アドアフィ界隈」は稀有な成長をしていたようです。
残念ながら「クリエイティブ」までは判明せず
今回、残念ながら今回この3社が「どのようなクリエイティブ」で運用していたのかまではたどり着けませんでした。
1年半ほど前からYoutubeのマンガ広告規制が強まり、マンガに関してはリジェクトされやすいと小耳に挟んでいます。今はもうめっきり見かけないですよね。
この数年で流行った"D2C"のコンプレックス訴求の漫画AD配信。投資家も関与している。
彼らは成功モデルとして投資先に同様の手法を展開、連鎖的にこの手法が拡がった。見かねたYoutube側は規制、D2C自体が下火に。このような低い倫理観を持った投資家が業界の重鎮みたいな顔をしていることが恐ろしい
— SUAN / スタートアップメディア🎈 (@suan_news) January 30, 2023
各社、規制によって売上が下がっている可能性は否めません。さらに直近では景表法や薬機法の改定により「アフィリエイター自身」も運用リスクが伴うようになってきています。
今はtiktokに向かっていると聴きますが…もし、どのような運用をしているかご存じの方いたら情報お待ちしております!
いやはや、継続性があるかはわかりませんが、アドアフィ界隈、凄すぎますね…
■参考記事
【アレテコ特集1】:なぜ20歳の『女子大生は、オナホを売る』選択をしたのか。背景には元welqメンバー率いるアレテコ・ホールディングス関係者が関与か。
【アレテコ特集2】:ただの水で売上190億円の米「Liquid Death」。アレテコ卒業組のHADOが「ただの炭酸水」で模倣するも、半年で賞味期限切れに